胃カメラ検査方法の進化~2025年最新の検査技術とは

胃カメラ検査の現状と進化の背景
「胃カメラ=つらい」というイメージをお持ちの方は少なくありません。かつての胃カメラ検査は、太いスコープを喉に通す際の不快感や痛みが強く、多くの患者さんにとって大きな負担となっていました。
しかし、近年の医療技術の進歩は目覚ましく、胃カメラ検査も大きく変わりつつあります。特に2025年現在では、患者さんの負担を軽減するための様々な工夫が取り入れられています。
当院でも最新の内視鏡システムを導入し、患者さんの苦痛を最小限に抑えながら、より精度の高い検査を提供できるよう日々努めています。胃カメラ検査は、胃がんをはじめとする様々な消化器疾患の早期発見に欠かせない重要な検査です。
内視鏡検査の技術革新は、単に検査の苦痛を減らすだけでなく、より早期の段階で病変を発見できる精度の向上にもつながっています。これにより、治療の選択肢が広がり、患者さんの予後改善に大きく貢献しているのです。

胃カメラ検査を受けたことがある方なら、あの喉の違和感や不安感を思い出されるかもしれません。でも、今日お伝えする最新の検査方法を知れば、きっとそのイメージが変わるはずです。
経鼻内視鏡と経口内視鏡の進化
胃カメラ検査には、大きく分けて「経鼻内視鏡」と「経口内視鏡」の2種類があります。それぞれの特徴と最新の進化について詳しくご説明します。
経口内視鏡は従来型の胃カメラで、口からスコープを挿入する方法です。かつては9mm前後の太さがありましたが、現在では7mm台の細いスコープが主流となっています。当院でも口からの検査用に細径スコープを導入し、患者さんの負担軽減に努めています。
一方、経鼻内視鏡は鼻から細いスコープ(約5〜6mm)を挿入する方法で、舌の奥を通らないため嘔吐反射が起きにくいという大きなメリットがあります。2025年現在、この経鼻内視鏡の技術はさらに進化し、画質や処置能力も向上しています。

経鼻内視鏡のメリットは以下の通りです:
- 嘔吐反射が少なく、検査が楽
- 会話が可能なので不安の軽減につながる
- 鎮静剤なしでも受けやすく、検査後すぐに運転・仕事が可能
経口内視鏡も進化しており、以下のようなメリットがあります:
- 太めのスコープなので高画質で、詳細な観察が可能
- 鉗子口が大きく、処置や組織の採取がしやすい
- 吸引・送水性能が高く、検査時間が比較的短い
どちらを選ぶべきかは、患者さんの状態や検査の目的によって異なります。例えば、嘔吐反射が強い方や検査への不安が強い方には経鼻内視鏡が、より詳細な観察や処置が必要な方には経口内視鏡がおすすめです。
当院では患者さん一人ひとりの状態に合わせて最適な検査方法をご提案しています。初めての方も、過去につらい経験をされた方も、ぜひご相談ください。
AI搭載内視鏡システムの革新
2025年現在、胃カメラ検査の世界で最も注目すべき進化の一つが、AI(人工知能)搭載内視鏡システムです。この革新的な技術により、検査の精度と効率が飛躍的に向上しています。
当院でも導入している最新のAI搭載内視鏡診断支援機能「CAD EYE」は、深層学習(Deep Learning)を活用して内視鏡検査時の病変の検出と鑑別をサポートします。2025年5月には進化したAI「EW、10-EG01 ver2.0」へバージョンアップされ、さらに正確な診断が可能になりました。
AIの導入によって、どのような変化がもたらされたのでしょうか?
まず、病変の検出率が大幅に向上しました。人間の目では見逃してしまうような微細な変化もAIが検出し、医師に提示します。特に早期胃がんの発見率が向上したことは、患者さんの予後改善に大きく貢献しています。
次に、検査の効率化が進みました。AIが瞬時に異常を検出することで、医師はより詳細な観察や診断に集中できるようになりました。これにより、検査時間の短縮にもつながっています。
さらに、診断の標準化も進んでいます。医師の経験や技術による診断のばらつきが減少し、どの患者さんも均質で高精度な検査を受けられるようになりました。
当院では、このAI技術と消化器・内視鏡専門医の経験を組み合わせることで、より確実な診断を目指しています。技術は進化しても、それを使いこなす医師の経験と判断力が重要であることに変わりはありません。
AIは医師の代わりになるものではなく、医師の診断をサポートする強力なツールです。最終的な判断は、患者さんの状態を総合的に評価できる医師が行います。

鎮静剤を使用した無痛内視鏡検査
胃カメラ検査に対する不安や恐怖感の多くは、「痛みや不快感」に関するものです。この問題を解決する画期的な方法として、鎮静剤を使用した無痛内視鏡検査が広く普及してきました。
鎮静剤とは、検査中に患者さんを「半分眠ったような状態」にする薬剤です。完全に意識がなくなる全身麻酔とは異なり、必要に応じて患者さんとコミュニケーションを取ることも可能な状態を作り出します。
当院では、患者さんの状態に合わせて適切な量の鎮静剤を使用し、安全かつ快適な検査環境を提供しています。多くの患者さんが「気がついたら終わっていた」と驚かれるほど、苦痛を感じることなく検査を終えられます。
鎮静剤を使用した無痛内視鏡検査のメリットは以下の通りです:
- 検査中の痛みや不快感をほとんど感じない
- 嘔吐反射や緊張による筋肉の硬直が起こりにくい
- 医師が落ち着いて丁寧に検査できるため、より精度の高い検査が可能
- 患者さんの検査への恐怖感が軽減され、定期的な検査を受けやすくなる
一方で、鎮静剤使用にあたって注意すべき点もあります。検査後は薬の効果が完全に切れるまで、運転や重要な判断を要する作業は避ける必要があります。当院では検査後にリカバリールームでゆっくり休んでいただき、安全に帰宅できる状態になるまでサポートしています。
鎮静剤を使用するかどうかは患者さん自身が選択できますが、検査への不安が強い方や過去に苦しい経験をされた方には特におすすめしています。経鼻内視鏡と鎮静剤を組み合わせることで、さらに快適な検査体験が可能です。
「検査は必要だとわかっていても怖くて受けられない」という方は、ぜひ鎮静剤を使用した無痛内視鏡検査をご検討ください。検査への恐怖心が軽減されることで、定期的な検査が可能になり、早期発見・早期治療につながります。
特殊光観察と拡大内視鏡技術
胃カメラ検査の精度を飛躍的に向上させている技術として、特殊光観察と拡大内視鏡技術があります。これらの技術は、肉眼では見えにくい微細な病変を発見するのに非常に有効です。
特殊光観察とは、通常の白色光ではなく、特定の波長の光を使用して粘膜の状態をより鮮明に観察する技術です。2025年現在、主に以下のような技術が普及しています:
- Blue Laser Imaging (BLI):青色レーザー光を使用して血管や粘膜の微細な変化を強調
- Linked Color Imaging (LCI):赤色の色調を強調し、炎症や発赤を見やすくする
- Narrow Band Imaging (NBI):特定の波長の光で血管パターンを強調
当院では最新のLED光源搭載の内視鏡システムを導入し、これらの特殊光観察を駆使して詳細な検査を行っています。特に早期胃がんの発見には非常に有効で、通常の観察では見逃してしまうような微細な変化も捉えることができます。
また、拡大内視鏡技術も大きく進化しています。最大で約80〜100倍まで拡大観察が可能となり、細胞レベルの変化を観察できるようになりました。これにより、病変の良性・悪性の判断がより正確になり、不必要な生検(組織採取)を減らすことも可能になっています。
特殊光観察と拡大内視鏡を組み合わせることで、以下のようなメリットがあります:
- 早期胃がんの発見率向上
- 病変の範囲や深達度のより正確な評価
- 炎症と腫瘍性病変の鑑別精度向上
- ピロリ菌感染の有無や程度の評価
これらの技術は、大学病院などの高度医療機関だけでなく、当院のような地域のクリニックでも導入が進んでいます。患者さんは身近な医療機関で最先端の検査を受けられるようになり、早期発見・早期治療の機会が広がっています。
胃カメラ検査は「つらい」というイメージから「精度が高く、早期発見に役立つ重要な検査」というイメージに変わりつつあります。定期的な検査で、ご自身の健康を守りましょう。
検査の流れと患者さんへの配慮
胃カメラ検査に対する不安を軽減するために、当院では検査の流れを明確にご説明し、様々な配慮を行っています。ここでは、検査前から検査後までの流れと、患者さんへの配慮についてご紹介します。
検査前の準備
胃カメラ検査の前には、胃の中を空にしておく必要があります。当院では、検査の2時間前からの絶飲食をお願いしています。これは必要最小限の絶食時間で、患者さんの負担を軽減するための配慮です。
検査当日は、首元がゆったりした服装でお越しいただくと楽に検査を受けられます。また、入れ歯をお使いの方は、検査前に外していただきます。
検査への不安が強い方には、事前に医師や看護師が丁寧に説明し、質問にお答えします。鎮静剤の使用や経鼻・経口の選択など、患者さんの希望を最大限尊重した検査方法をご提案します。
検査中の配慮
検査室に入ると、まず喉の麻酔を行います。経口内視鏡の場合はスプレーやうがい薬で、経鼻内視鏡の場合は鼻腔内に麻酔薬を塗布します。鎮静剤を使用する場合は、この時点で静脈から投与します。
検査中は、患者さんの状態を常に観察し、苦痛を最小限に抑えるよう配慮しています。必要に応じて声をかけ、安心感を提供します。また、最新の内視鏡システムにより、検査時間の短縮も図っています。
検査後のケア
検査後は、喉の麻酔や鎮静剤の効果が切れるまでリカバリールームでゆっくり休んでいただきます。当院では広々としたリカバリールームを完備し、患者さんがリラックスできる環境を整えています。
検査結果は、可能な限り当日に医師から詳しく説明します。画像をお見せしながら、わかりやすく丁寧に説明することを心がけています。不安な点や疑問点があれば、遠慮なくお尋ねください。
当院では、患者さん一人ひとりの状態や不安に寄り添った検査を提供することを大切にしています。「検査は怖い」というイメージを変え、「安心して受けられる検査」と感じていただけるよう努めています。
胃カメラ検査は、胃がんをはじめとする様々な消化器疾患の早期発見に欠かせない重要な検査です。少しでも不安や疑問があれば、ぜひ当院にご相談ください。
定期検査の重要性と早期発見のメリット
胃カメラ検査は、症状がある時だけでなく、定期的に受けることで多くの疾患を早期に発見できる重要な検査です。特に40歳を過ぎたら、症状がなくても定期的な検査をお勧めします。
なぜ定期検査が重要なのでしょうか?それは、多くの消化器疾患、特に胃がんは初期段階では自覚症状がほとんどないからです。症状が現れた時には、すでに進行している場合が少なくありません。
当院の院長である私も、「念のため」と受けた検査でポリープが見つかった経験があります。その時は全く症状がなかったにもかかわらず、です。このような「無症状の段階での発見」こそが、定期検査の大きなメリットです。

早期発見のメリットは計り知れません。例えば、胃がんの場合:
- 早期胃がんの5年生存率は90%以上と非常に高い
- 早期であれば内視鏡的治療で切除可能な場合が多く、体への負担が少ない
- 入院期間の短縮や社会復帰の早期化につながる
- 医療費の負担軽減にもつながる
また、ピロリ菌感染が見つかった場合には、除菌治療を行うことで胃がんのリスクを大幅に減らすことができます。これも早期発見・早期治療の重要な例です。
当院では、患者さんの負担を最小限に抑えた検査方法を提供することで、定期検査のハードルを下げる努力をしています。鎮静剤を使用した無痛内視鏡検査や、経鼻内視鏡による楽な検査方法など、患者さんに合った方法をご提案します。
また、忙しい方のために土曜日の検査や、初診当日の検査にも対応しています。「時間がない」という理由で検査を先延ばしにすることがないよう、柔軟な対応を心がけています。
健康診断でバリウム検査を受けている方も、より詳細な検査として胃カメラ検査をお勧めします。バリウム検査では見つけられない小さな病変も、胃カメラなら発見できる可能性が高まります。
あなたの健康を守るために、定期的な胃カメラ検査を検討してみませんか?当院では、患者さん一人ひとりの不安や疑問に丁寧にお答えしながら、最適な検査をご提供します。
まとめ:進化する胃カメラ検査と当院の取り組み
胃カメラ検査は、技術の進歩により大きく変わりました。経鼻内視鏡や細径スコープの普及、鎮静剤を使用した無痛検査の一般化、AI技術や特殊光観察の導入など、患者さんの負担を軽減しながら診断精度を向上させる取り組みが進んでいます。
当院では、これらの最新技術を積極的に導入し、患者さんに最適な検査環境を提供しています。消化器・内視鏡専門医である私が全ての検査を担当し、高い精度と安全性を確保しています。
また、患者さんの利便性を考慮し、初診当日の検査や土曜日の検査にも対応しています。待ち時間と滞在時間の短縮にも取り組み、忙しい方でも受診しやすい環境を整えています。
胃カメラ検査は、胃がんをはじめとする様々な消化器疾患の早期発見に欠かせない重要な検査です。かつての「つらい検査」というイメージを払拭し、「安心して受けられる検査」として多くの方に定期的に受けていただきたいと考えています。
健康に不安のある方はもちろん、症状がない方も、40歳を過ぎたら定期的な胃カメラ検査をお勧めします。早期発見・早期治療が、あなたの健康と生活の質を守ります。
当院では、患者さん一人ひとりの状態や不安に寄り添い、最適な検査方法をご提案します。胃カメラ検査に関する疑問や不安があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
最後に、胃カメラ検査は「受けたくない検査」ではなく、「あなたの健康を守るための大切な検査」です。検査技術の進化により、その負担は大きく軽減されています。ぜひ、定期的な検査で健康管理にお役立てください。
詳しい情報や予約については、石川消化器内科内視鏡クリニックのウェブサイトをご覧いただくか、お電話でお問い合わせください。皆様の健康を誠心誠意サポートいたします。
著者情報
石川消化器内科・内視鏡クリニック
院長 石川 嶺 (いしかわ れい)
経歴
平成24年 近畿大学医学部医学科卒業
平成24年 和歌山県立医科大学臨床研修センター
平成26年 名古屋セントラル病院(旧JR東海病院)消化器内科
平成29年 近畿大学病院 消化器内科医局
令和4年11月2日 石川消化器内科内視鏡クリニック開院





