
大腸内視鏡検査を初めて受ける方にとって、「検査は痛いのだろうか」「当日はどんな流れなのか」といった不安は尽きないものです。
検査前の準備から当日の流れまで、事前に知っておくことで心の準備ができ、安心して検査に臨めます。
この記事では、消化器内視鏡専門医として多くの患者様を診てきた経験から、初めての大腸内視鏡検査を安心して受けていただくための情報をお伝えします。
大腸内視鏡検査とは・・・どんな検査なのか
大腸内視鏡検査は、肛門から内視鏡を挿入し、直腸から盲腸までの大腸全体を観察する検査です。
大腸がんや大腸ポリープ、炎症性腸疾患などの早期発見に非常に有効です。
検査では、腸内の粘膜を直接観察できるため、画像検査では見つけにくい小さな病変も発見できます。

検査で発見できる主な疾患
大腸内視鏡検査では、**大腸がん**や**大腸ポリープ**をはじめ、さまざまな疾患を発見できます。
過敏性腸症候群、虚血性大腸炎、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)、大腸憩室症なども診断可能です。
特に大腸がんは早期発見が重要で、初期段階では自覚症状がほとんどありません。
定期的な検査により、がんになる前のポリープの段階で発見し、切除することで大腸がんの予防につながります。
検査時間と鎮静剤の使用
検査時間は通常15~30分程度です。
当院では、患者様の苦痛を最小限に抑えるため、鎮静剤(麻酔)を使用した検査を行っています。
半分眠ったような状態で検査を受けていただけるため、「あっという間に終わった」と感じる方がほとんどです。
痛みや恐怖をほとんど感じることなく、リラックスした状態で検査を受けられます。
鎮静剤を使用することで、検査中の不快感が大幅に軽減され、医師も丁寧に観察できるため、検査の精度も向上します。
予約前に必ず確認すべき5つの重要項目
大腸内視鏡検査をスムーズに受けるためには、予約前の確認が欠かせません。
ここでは、医療機関に問い合わせる際に確認しておきたい5つのポイントをご紹介します。
これらを事前に把握しておくことで、当日の不安を大きく減らせます。

1. 鎮静剤の使用について
鎮静剤を使用するかどうかは、検査の快適さに大きく影響します。
当院では、ご希望に応じて鎮静剤を使用し、痛みや不快感を最小限に抑えた検査を提供しています。
鎮静剤を使用した場合、検査後は1時間ほど休憩が必要です。
また、当日の車やバイク、自転車の運転はできませんので、ご家族の送迎や公共交通機関の利用をお願いしています。
鎮静剤の使用を希望される場合は、予約時にその旨をお伝えください。
2. 検査当日のスケジュール
検査当日の流れを事前に把握しておくことで、心の準備ができます。
当院では、初診当日の検査にも対応していますが、通常は事前診察で検査日を予約していただきます。
検査当日は、朝から下剤(腸管洗浄液)を服用し、腸内をきれいにする必要があります。
自宅で下剤を服用する方法と、院内で服用する方法があり、患者様のご希望に応じて選択できます。
院内で服用される場合は、朝9時頃にご来院いただき、個室で腸管洗浄液を服用していただきます。
3. 前日の食事制限について
検査前日の食事内容は、検査の精度に直接影響します。
前日は消化の良い食事(おかゆ、素うどん、白身魚、豆腐など)を午後8時頃までに済ませてください。
野菜類、きのこ類、海藻類、豆類、ナッツ類など、食物繊維が多い食品は避ける必要があります。
これらは腸内に残りやすく、検査の妨げになるためです。
前日の食事制限を守ることで、腸内をきれいにしやすくなり、検査がスムーズに進みます。
4. ポリープ切除の対応可否
検査中にポリープが発見された場合、その場で切除できるかどうかは重要なポイントです。
当院では、大腸ポリープが発見された場合、条件を満たせば検査と同時に日帰りで切除を行っています。
ポリープ切除後は、刺激物の摂取や飲酒、激しい運動を1週間程度控えていただく必要があります。
ポリープを切除することで、将来の大腸がん発症リスクを大幅に減らせます。
5. 検査費用と保険適用について
検査費用は、保険適用の有無や検査内容によって異なります。
予約時に、保険適用の範囲や自己負担額の目安を確認しておくと安心です。
当院では、電話予約とWEB予約に対応しており、アプリ決済、クレジットカード、電子決済もご利用いただけます。
検査費用についてご不明な点があれば、お気軽にお問い合わせください。
検査前日の準備・・・食事と下剤の服用
検査前日の準備は、検査の成功を左右する重要なステップです。
適切な食事制限と下剤の服用により、腸内をきれいな状態にすることが求められます。
前日の準備をしっかり行うことで、検査当日の腸管洗浄がスムーズに進みます。
前日の食事メニュー例
前日の朝食・昼食・夕食すべてにおいて、消化の良いものを選びましょう。
**白米やおかゆ**、**素うどん**、**食パン**(雑穀やドライフルーツが入っていないもの)が適しています。
おかずは、**白身魚**、**鶏肉**(皮なし)、**豆腐**、**卵**などがおすすめです。
じゃがいもは皮をむいたものであれば食べられますが、野菜全般は避けてください。
味付けは薄味にし、油を使った料理は控えめにしましょう。
避けるべき食品リスト
以下の食品は、腸内に残りやすいため前日は避けてください。
- 野菜類(葉物、根菜など)
- きのこ類(椎茸、エノキタケ、マイタケなど)
- 海藻類(海苔、わかめ、昆布、ひじきなど)
- 豆類、ナッツ類、ごま
- 果物(特に皮つきや種のあるもの)
- こんにゃく、玄米、雑穀米
- 脂っこい揚げ物や脂身の多い肉
- 乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ)
これらの食品は消化に時間がかかり、腸内に残りやすいため、検査の精度を下げる原因になります。
前日夜の下剤服用
検査前日の就寝前(午後9時頃)に、処方された下剤(錠剤)を服用していただきます。
脱水を防ぐため、お水などでこまめに水分補給を心がけてください。
早めの就寝を心がけ、体調を整えることも大切です。
前日夜の下剤により、翌朝の腸管洗浄がスムーズに進みます。
検査当日の流れ・・・来院から検査終了まで
検査当日は、指定された時間にクリニックへご来院いただきます。
ここでは、来院から検査終了までの詳しい流れをご説明します。
当日の流れを事前に知っておくことで、落ち着いて検査を受けられます。

来院後の腸管洗浄
自宅で下剤を服用する場合は、検査当日の朝7時頃から腸管洗浄液を飲み始めます。
約2リットルの液体を数回に分けて服用し、何度かトイレに通います。
便が液体のような水様便になれば、腸内がきれいになった合図です。
院内で下剤を服用する場合は、朝9時頃にご来院いただき、個室で腸管洗浄液を服用していただきます。
スタッフが適宜サポートしながら、排便状況を確認いたします。
腸管洗浄には個人差がありますが、通常2~3時間程度かかります。
検査前の準備
腸内がきれいになったことを確認後、検査着にお着替えいただきます。
鎮静剤を使用する場合は、点滴の準備を行います。
前処置室もしくは待合室で名前を呼ばれるまでお待ちください。
リラックスした状態で検査を受けていただけるよう、スタッフが丁寧にサポートいたします。
不安なことがあれば、遠慮なくスタッフにお声がけください。
検査室での処置
検査台に横になり、おなかをラクにします。
鎮静剤を注射し、半分眠ったような状態になります。
場合によっては、腸の緊張をやわらげる薬も注射します。
力を抜いてリラックスしていただくことが、スムーズな検査のポイントです。
鎮静剤が効いてくると、意識が薄れていき、検査中の記憶がほとんど残らない方も多くいらっしゃいます。
内視鏡検査の実施
肛門から内視鏡を挿入し、大腸全体を丁寧に観察します。
医師はモニターに映る腸内をすみずみまで確認し、異常がないかチェックします。
検査時間は15~30分ほどで、患者様ごとに多少異なります。
当院では、高性能な拡大内視鏡を使用し、大学病院に劣らない精度の検査を提供しています。
ポリープが見つかった場合は、その場で切除することもあります。
検査終了後の休憩
検査が終わったら、リカバリールームで横になって休みます。
鎮静剤を使用した場合は、40分~1時間ほど安静にしていただきます。
気分が悪い時や変調がある時は、すぐに医師やスタッフにお伝えください。
お着替えが終わり次第、コーヒーや紅茶などのドリンクをご用意していますので、個室でゆっくりとお休みいただけます。
十分に休憩し、体調が回復してからご帰宅いただきます。
検査結果の説明と今後の対応
検査終了後は、撮影した画像をもとに検査結果をご説明します。
当院では、すべての診察、検査、検査結果説明を院長が担当していますので、安心してご相談いただけます。
検査結果に応じて、今後の治療方針や生活上の注意点をお伝えします。
当日の結果説明
身支度を整えたら、撮影した画面を見ながら検査の結果を聞きます。
観察のみで処置がなかった場合は、その場で詳しい説明を受けられます。
組織採取やポリープ切除を行った場合は、病理検査の結果を後日(10日~3週間後)に再度ご来院いただき、詳しくご説明いたします。
病理検査により、ポリープの性質やがん細胞の有無を正確に判断できます。
検査後の注意事項
検査後は、おなかが張ってくるため、おならをどんどん出しましょう。
鎮静剤を使用した場合、検査後の車の運転は禁止です(翌日からは可能)。
飲食は1時間後から可能で、便に少量の血が混じる場合があります。
観察のみの検査であれば、特に食事制限はありませんが、ポリープを切除された場合は、刺激物の摂取、飲酒、激しい運動を1週間程度お控えください。
入浴はせずにシャワー程度にし、医師の指示を守りましょう。
検査後に腹痛や発熱、大量の出血がある場合は、すぐに当院までご連絡ください。
よくある質問・・・患者様の不安を解消
初めての大腸内視鏡検査では、さまざまな疑問や不安が生じるものです。
ここでは、患者様からよく寄せられる質問にお答えします。
疑問を解消することで、安心して検査を受けていただけます。

検査は本当に痛くないのですか?
鎮静剤を使用することで、ほとんどの方が「眠っている間に終わった」と感じられます。
痛みや不快感をほとんど覚えないまま検査を終えられるため、安心してください。
当院では、患者様の苦痛を最小限に抑えるため、二酸化炭素送気装置を使用し、腹部の張りを軽減しています。
二酸化炭素は空気よりも早く体内に吸収されるため、検査後の腹部膨満感が少なくなります。
下剤を飲むのが不安です
下剤の服用は、多くの方が「大変だった」と感じる部分です。
約2リットルの液体を飲む必要がありますが、数回に分けて時間をかけて服用していただけます。
院内で下剤を服用する場合は、スタッフがサポートしながら排便状況を確認しますので、安心です。
自宅で服用する場合も、嘔吐や体調不良があれば、すぐに当院までご連絡ください。
下剤の味が苦手な方には、冷やして飲むと飲みやすくなるとお伝えしています。
検査後すぐに食事はできますか?
観察のみの検査であれば、検査後1時間後からお食事が可能です。
ポリープを切除された場合は、当日は消化の良い食事をおすすめしています。
刺激物や飲酒は、2~3日避けるようにしましょう。
検査後の食事について不安がある場合は、医師やスタッフにご相談ください。
家族に大腸がんの人がいます。何歳から検査を受けるべきですか?
家族に大腸がんを患っている方がいる場合、遺伝的リスクが高まります。
40歳以上で大腸内視鏡検査を受けたことがない方は、一度検査を受けることをおすすめします。
早期発見により、大腸がんの発症を予防できる可能性が高まります。
家族歴がある方は、定期的な検査を受けることで、より安心して生活できます。
まとめ・・・安心して検査を受けるために
大腸内視鏡検査は、大腸がんやポリープの早期発見に欠かせない重要な検査です。
初めての方にとっては不安が大きいかもしれませんが、事前に流れを知り、適切な準備をすることで、安心して検査を受けられます。
予約前には、鎮静剤の使用、検査当日のスケジュール、前日の食事制限、ポリープ切除の対応可否、検査費用の5つのポイントを確認しましょう。
当院では、消化器・内視鏡専門医がすべての診察と検査を担当し、鎮静剤を使用した無痛の検査を提供しています。
初診当日の検査や土曜日の検査にも対応しており、お忙しい方でも受診しやすい環境を整えています。
些細なことでもお気軽にご相談ください。
詳しい検査内容やご予約については、石川消化器内科内視鏡クリニックの公式サイトをご覧いただくか、お電話にてお問い合わせください。
あなたの健康を守るため、私たちが全力でサポートいたします。

著者情報
石川消化器内科・内視鏡クリニック
院長 石川 嶺 (いしかわ れい)
経歴
平成24年 近畿大学医学部医学科卒業
平成24年 和歌山県立医科大学臨床研修センター
平成26年 名古屋セントラル病院(旧JR東海病院)消化器内科
平成29年 近畿大学病院 消化器内科医局
令和4年11月2日 石川消化器内科内視鏡クリニック開院




