コラム

2026.02.10

内視鏡の鎮静あり・なしの選び方|体質・持病・運転で決める最適な検査法

胃カメラの鎮静剤、使うべき?使わないべき?

胃カメラ検査を受ける際、多くの方が「鎮静剤を使うかどうか」で悩まれます。

「苦しくない検査がしたい」「でも、検査後に運転する予定がある」「持病があるけど大丈夫?」

こうした不安や疑問をお持ちの方は少なくありません。鎮静剤の使用には、それぞれメリットとデメリットがあります。大切なのは、あなたの体質や生活スタイル、検査後の予定に合わせて最適な方法を選ぶことです。

当院では、日本内視鏡学会認定の内視鏡専門医が、患者さまお一人おひとりの状況に応じた検査方法をご提案しています。この記事では、鎮静剤の使用を判断する際のポイントを、医師の視点から詳しく解説します。

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🏥 大阪消化器内科・内視鏡クリニック

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鎮静剤とは?その役割と効果

鎮静剤は、胃カメラ検査の際に患者さまの不安や緊張、不快感を和らげるために使用される薬剤です。

ウトウトと半分眠ったような状態になり、「気づいたら検査が終わっていた」という感覚で検査を終えられます。

鎮静剤の主な効果

鎮静剤を使用することで、以下のような効果が期待できます。

  • 不安や緊張の軽減・・・検査への恐怖心が和らぎます
  • 嘔吐反射の抑制・・・「オエッ」となる反射が起こりにくくなります
  • 身体の緊張緩和・・・リラックスした状態で検査を受けられます
  • 検査精度の向上・・・患者さまが落ち着いていると、医師も細部まで観察しやすくなります

当院で使用する鎮静剤の種類

当院では、主に2種類の鎮静剤を患者さまの状態に応じて使い分けています。

プロポフォールは即効性が高く、比較的短時間で覚醒するため、検査時の鎮静剤として広く使用されています。明瞭な鎮静作用と予測しやすい薬物動態が特徴です。

ミダゾラムは、鎮静だけでなく抗不安作用もあるため、内視鏡検査での緊張緩和に役立ちます。ただし、覚醒までの時間がやや長くなることがあります。

これらの薬剤を組み合わせることで、より効果的な鎮静状態を作り出すことも可能です。患者さまの体質や反射の強さ、過去の検査履歴などを考慮し、適切な種類と量を慎重に調整します。

鎮静剤を使うべき人・使わない方がいい人

鎮静剤の使用には、向き不向きがあります。

あなたの体質や状況に合わせて、最適な選択をすることが大切です。

鎮静剤の使用をおすすめする方

以下のような方には、鎮静剤の使用をおすすめしています。

  • 嘔吐反射が強い方・・・過去の検査で「オエッ」となって辛かった経験がある方
  • 検査への不安が強い方・・・初めての検査で緊張している方
  • 過去に辛い経験をされた方・・・以前の検査がトラウマになっている方
  • リラックスして検査を受けたい方・・・苦痛を最小限に抑えたい方

特に嘔吐反射が強い方は、鎮静剤を使用することで検査がスムーズに進み、精度の高い観察が可能になります。

鎮静剤を使わない方がいい方

一方で、以下のような方は鎮静剤を使用しない検査をおすすめする場合があります。

  • 検査後すぐに運転する予定がある方・・・鎮静剤使用後は当日の運転ができません
  • 検査後すぐに仕事に戻る必要がある方・・・覚醒までに時間がかかります
  • 付き添いの方を手配できない方・・・検査後はお一人での帰宅が困難です
  • 特定の持病がある方・・・呼吸器疾患や心疾患がある場合は慎重な判断が必要です

これらの条件に該当する方でも、経鼻内視鏡を選択することで、鎮静剤なしでも比較的楽に検査を受けられる可能性があります。

持病がある方の鎮静剤使用について

持病をお持ちの方は、鎮静剤の使用に特に注意が必要です。

安全に検査を受けていただくため、事前に必ず医師にご相談ください。

注意が必要な持病

以下のような持病がある方は、鎮静剤の使用について慎重な判断が求められます。

  • 呼吸器疾患・・・喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など
  • 心疾患・・・不整脈、心不全など
  • 肝機能障害・・・鎮静剤の代謝に影響します
  • 腎機能障害・・・薬剤の排泄に影響します
  • 高齢の方・・・鎮静剤が効きやすい傾向があります

これらの持病がある場合でも、検査は可能です。ただし、鎮静剤の種類や量を慎重に調整する必要があります。当院では、患者さまの健康状態を詳しく伺い、全身状態を把握するモニターをつけて検査を行います。

服用中の薬について

抗血栓薬(血液をサラサラにする薬)を服用されている方は、事前にご相談ください。

組織検査が必要になった場合、出血のリスクを考慮する必要があります。多くの場合、薬を継続したまま検査が可能ですが、状況によっては休薬が必要になることもあります。

また、アレルギー歴がある方は、鎮静剤に対するアレルギー反応の可能性も考慮します。過去に薬剤アレルギーを経験された方は、必ず医師にお伝えください。

検査後の運転予定がある方へ

「検査後に車で帰りたい」「仕事の合間に検査を受けたい」

このような方は、鎮静剤を使わない検査方法を選択することをおすすめします。

鎮静剤使用後の運転制限

鎮静剤を使用した場合、当日は自動車の運転ができません。

これは、鎮静剤の効果が完全に切れるまでに時間がかかるためです。検査後は1時間ほど休んでいただきますが、その後も注意力や判断力が低下している可能性があります。

安全のため、鎮静剤を使用した場合は、必ずご家族やご友人の付き添いをお願いしています。公共交通機関やタクシーでのご帰宅も可能です。

運転予定がある方の選択肢

検査後に運転する予定がある方には、以下の選択肢があります。

  • 経鼻内視鏡(鎮静剤なし)・・・検査後30~60分で水を飲んだり、運転したりできます
  • 経口内視鏡(鎮静剤なし)・・・嘔吐反射が少ない方に適しています

経鼻内視鏡は、鼻から細いスコープ(約5~6mm)を挿入するため、舌の奥に触れず、嘔吐反射が起こりにくいのが特徴です。検査中も医師と会話ができるため、モニターを見ながら質問することもできます。

経口内視鏡と経鼻内視鏡、どちらを選ぶ?

胃カメラには、口から入れる「経口内視鏡」と鼻から入れる「経鼻内視鏡」の2種類があります。

それぞれの特徴を理解し、あなたに合った方法を選びましょう。

経口内視鏡の特徴

経口内視鏡は、口から直径8~9mm程度のスコープを挿入する従来型の検査方法です。

メリット

  • 高画質で詳細な観察が可能
  • 検査時間が比較的短い
  • 病変部が見つかった場合、拡大観察も可能
  • 処置や組織採取がしやすい

デメリット

  • 嘔吐反射が起きやすい
  • 不快感を感じることがある
  • 検査中に医師と会話ができない

経口内視鏡は、精密な観察が必要な場合や、処置を伴う可能性がある場合に適しています。当院では、嘔吐反射を抑えるため、鎮静剤の使用をおすすめしています。

経鼻内視鏡の特徴

経鼻内視鏡は、鼻から直径5~6mm程度の細いスコープを挿入する検査方法です。

メリット

  • 嘔吐反射が少なく、検査が楽
  • 検査中に医師と会話ができる
  • 鎮静剤なしでも受けやすい
  • 検査後すぐに水を飲んだり、運転したりできる

デメリット

  • スコープが細いため、画質がやや劣る
  • 鼻腔が狭い方や鼻に持病がある方は受けられない場合がある
  • 検査時間がやや長くなることがある

経鼻内視鏡は、嘔吐反射が強い方や、検査後すぐに日常生活に戻りたい方に適しています。当院では、最新式のハイビジョン内視鏡を使用しているため、経鼻でも高品質な観察が可能です。

あなたに合った選択は?

以下の表を参考に、あなたの状況に合った検査方法を選んでください。

  • 苦痛が心配/嘔吐反射が強い方→ 経鼻内視鏡
  • 詳細な観察・処置が必要な方→ 経口内視鏡
  • できるだけ楽に受けたい方→ 鎮静剤+経口内視鏡
  • 検査後にすぐ仕事や運転がある方→ 経鼻内視鏡(非鎮静)

当院では、患者さまのご希望や体質に合わせて検査方法を選択できます。どちらが良いか迷われる場合は、お気軽にご相談ください。

鎮静剤が効きにくい方への対応

「以前、鎮静剤を使ったのに効かなかった」という経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

鎮静剤が効きにくい原因はいくつかあります。

鎮静剤が効きにくい原因

以下のような要因が、鎮静剤の効果に影響することがあります。

  • アルコールに強い体質・・・日常的に飲酒している方は耐性ができている可能性があります
  • 投与量が不足していた・・・体格や体質に対して適切な量でなかった場合
  • 強い不安や緊張・・・精神的なストレスが鎮静効果を弱めることがあります

当院での対応

当院では、鎮静剤が効きにくい方にも対応できる体制を整えています。

鎮静剤には「眠る作用が強いもの」と「反射を抑える作用が強いもの」など、いくつか種類があります。これらを組み合わせることで、より効果的な鎮静状態を作り出すことが可能です。

また、検査中も患者さまの状態を常にモニタリングし、必要に応じて追加投与を行います。「検査中に鎮静剤の効果がなくなったらどうしよう」と心配する必要はありません。

検査前の段階で、過去の検査経験や体質について詳しくお伺いし、最適な鎮静方法をご提案します。

検査前後の注意点

安全で快適な検査を受けていただくため、検査前後の注意点をお守りください。

検査前の準備

検査前日は、消化の良い食事を心がけてください。検査当日は、指定された時間から絶食・絶飲となります。

服用中の薬がある方は、事前に医師にご相談ください。多くの薬は継続して服用できますが、一部の薬は休薬が必要になる場合があります。

鎮静剤を使用する場合は、必ず付き添いの方を手配してください。当日は自動車の運転ができません。

検査後の過ごし方

鎮静剤を使用した場合、検査後は1時間ほど休んでいただきます。当院にはリカバリールームを用意しており、ゆっくりお休みいただけます。

検査後の食事は、のどの麻酔が切れてから(約1時間後)摂っていただけます。最初は水分から始め、徐々に通常の食事に戻してください。

鎮静剤を使用しなかった場合は、検査後30~60分で水を飲んだり、食事をしたりできます。運転も可能です。

組織検査を行った場合

組織検査(生検)を行った場合は、当日の激しい運動や飲酒は控えてください。出血のリスクがあるためです。

検査結果は、通常1~2週間後にお伝えします。結果説明の際は、今後の治療方針や定期検査の必要性についてもご説明します。

当院の内視鏡検査の特徴

大阪消化器内科・内視鏡クリニックでは、患者さまに安心して検査を受けていただくため、さまざまな工夫をしています。

内視鏡専門医による高精度な検査

当院のすべての内視鏡検査は、日本内視鏡学会認定の内視鏡専門医が担当します。豊富な経験と知識を持つ医師の丁寧な操作で、見落としのない精度の高い検査を提供します。

最新の内視鏡システム

オリンパス社製の最上位機種「EVIS X1」を導入しています。NBI(狭帯域光法)、RDI(赤色光観察)、EDOF(被写界深度拡大技術)といった先端技術により、がんなどの病変の早期発見が可能です。

苦痛を最小限に抑える工夫

鎮静剤の使用に加え、炭酸ガス送気を採用しています。空気の100倍吸収が早く、検査後のお腹の張りが少なくなります。

また、患者さまの体質や希望に応じて、経口・経鼻の選択、鎮静剤の有無を柔軟に対応しています。

検査後のフォロー体制

検査後、精密検査や入院治療が必要になった場合は、速やかに高度医療機関と連携します。「検査の受けっぱなし」で終わることなく、必要な医療をお届けできるよう万全のフォローをいたします。

まとめ:あなたに最適な検査方法を選びましょう

胃カメラ検査の鎮静剤使用は、あなたの体質、持病、検査後の予定によって最適な選択が変わります。

嘔吐反射が強い方や不安が大きい方には鎮静剤の使用をおすすめしますが、検査後に運転する予定がある方や、すぐに仕事に戻りたい方には、経鼻内視鏡(鎮静剤なし)が適しています。

持病をお持ちの方は、事前に医師にご相談ください。安全に検査を受けていただくため、鎮静剤の種類や量を慎重に調整します。

当院では、患者さまお一人おひとりの状況に合わせた検査方法をご提案しています。過去に辛い経験をされた方も、初めての方も、安心してご相談ください。

胃がんや食道がんは、早期発見できれば内視鏡での治療が可能です。40歳を過ぎたら、定期的な検査をおすすめします。

詳しい検査方法や予約については、大阪消化器内科内視鏡クリニックの公式サイトをご覧ください。電話またはWebから24時間予約を受け付けています。

あなたに合った検査方法で、安心して健康を守りましょう。

著者情報

石川消化器内科・内視鏡クリニック
院長 石川 嶺 (いしかわ れい)

経歴

平成24年 近畿大学医学部医学科卒業
平成24年 和歌山県立医科大学臨床研修センター
平成26年 名古屋セントラル病院(旧JR東海病院)消化器内科
平成29年 近畿大学病院 消化器内科医局
令和4年11月2日 石川消化器内科内視鏡クリニック開院

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