
「親が胃がんだった」「兄弟が大腸がんになった」・・・そんな経験をお持ちの方は、ご自身の健康についても不安を感じているのではないでしょうか。
家族にがんの既往がある場合、一般の方よりもリスクが高まることが知られています。
しかし、具体的に何歳から検査を始めればよいのか、どのくらいの頻度で受ければよいのか、明確な答えを持っている方は少ないかもしれません。
本記事では、家族歴がある方に最適な検診戦略について、最新のエビデンスと専門医の見解をもとに詳しく解説します。
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家族歴があるとリスクはどれくらい高まるのか
家族に胃がんや大腸がんの既往がある場合、発症リスクは確実に上昇します。
これは医学的に明らかになっている事実であり、適切な対策を講じることが重要です。
胃がんでは、家族に胃がんになった方がいる場合、いない場合と比べて**男性で1.6倍、女性で2.4倍**発症率が高くなるとされています。
大腸がんにおいても、第1度近親者(親・兄弟・子ども)が大腸がんと診断されている場合、リスクが高まることが明らかになっています。
特に、若い年齢で家族が発症している場合や、複数の家族ががんになっている場合は、より注意が必要です。

胃がんの家族歴とリスク要因
胃がんの発症には、「ピロリ菌感染」や「食生活」が大きく影響しています。
家族内でピロリ菌感染が共有されやすいこと、また食習慣が似ることから、家族歴が重要な意味を持つと考えられています。
日本では、特に高齢世代でピロリ菌の感染率が高く、親から子への感染も起こりやすい環境にありました。
ただし、必ずしも遺伝によって胃がんを発症するとは限りません。
環境要因の影響が大きいため、適切な予防と早期発見が重要です。
ピロリ菌の除菌治療を受けることで、胃がんのリスクを大幅に下げることができます。
大腸がんの家族歴とリスク要因
大腸がんは、遺伝性の要因が関与するケースが一定数存在します。
全体の約5%程度は「リンチ症候群」や「家族性大腸腺腫症(FAP)」などの遺伝性大腸がんです。
また、原因遺伝子は特定されていないものの、血縁者に多くの大腸がん患者がいる「家族集積性大腸がん」が20~30%程度存在します。
第1度近親者が2人以上大腸がんと診断されている場合、または1人が60歳未満で診断されている場合は、特に注意が必要です。
このような場合、遺伝性腫瘍症候群の可能性も考慮し、専門医に相談することが推奨されます。
何歳から内視鏡検査を始めるべきか
家族歴がある場合、一般的な検診開始年齢よりも早めに検査を始めることが推奨されます。
具体的な開始年齢は、家族歴の濃さや遺伝性疾患の有無によって異なります。
ここでは、それぞれのケースに応じた推奨開始年齢について解説します。

胃がんの家族歴がある場合
胃がんは45歳を過ぎたあたりから増加していきます。
家族歴がある方は、**40歳前後**から胃カメラ検査を開始することが望ましいと考えられます。
特にピロリ菌感染が確認されている場合は、より早期からの検査開始が推奨されます。
ピロリ菌の除菌治療を受けた後も、定期的な内視鏡検査が必要です。
除菌後も胃がんのリスクはゼロにはならないため、継続的な観察が重要となります。
また、親が若い年齢(50歳未満)で胃がんと診断された場合は、さらに早めの検査開始を検討することもあります。
大腸がんの家族歴がある場合
大腸がんの発生数は40代から増加し、高齢になるほど発症率が上がります。
家族歴がある方は、**最も若い家族の発症年齢より10歳若い年齢**、または**40歳**のいずれか早い方から大腸カメラ検査を開始することが推奨されます。
例えば、親が50歳で大腸がんと診断された場合、40歳から検査を始めるのが適切です。
親が35歳で診断された場合は、25歳から検査を開始することが推奨されます。
このように、家族の発症年齢を基準に検査開始時期を決定することで、早期発見の可能性を高めることができます。
遺伝性腫瘍症候群が疑われる場合
リンチ症候群では、**30歳頃**から1~2年ごとの内視鏡検査が目安とされています。
家族性大腸腺腫症(FAP)の場合は、さらに早期からの検査が必要になることがあります。
FAPでは、10代から大腸ポリープが多発するため、10代後半から大腸カメラ検査を開始することが推奨されます。
遺伝性のがんについて心配がある方は、遺伝性がんの相談体制のある医療機関にご相談ください。
遺伝カウンセリングを受けることで、適切な検査計画を立てることができます。
何年ごとに内視鏡検査を受けるべきか
検査の頻度は、リスクの程度によって調整する必要があります。
一般的な対策型検診では、胃がん検診は50歳以上で2年に1回、大腸がん検診は40歳以上で1年に1回が推奨されています。
しかし、家族歴がある場合は、より短い間隔での検査が望ましいと考えられます。
胃がんの検査間隔
ピロリ菌感染がある、または除菌後の方で家族歴がある場合は、**1~2年ごと**の胃カメラ検査が推奨されます。
ピロリ菌未感染で家族歴がある場合でも、**3~5年に1度**は検査を受けることが望ましいでしょう。
前回の検査で萎縮性胃炎や腸上皮化生などの所見があった場合は、より短い間隔での検査が推奨されます。
症状がある場合は、時期を問わず早めに受診することが重要です。
胃の不快感、食欲不振、体重減少などの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
大腸がんの検査間隔
家族歴がある場合、**3~5年ごと**の大腸カメラ検査が推奨されます。
ポリープが見つかった場合は、その大きさや数によって次回の検査時期が決まります。
大腸ポリープは切除することで大腸がんの予防につながるため、定期的な検査が非常に重要です。
小さなポリープ(5mm未満)が1~2個程度であれば、5年後の検査でも問題ないことが多いです。
一方、大きなポリープ(10mm以上)や多数のポリープが見つかった場合は、1~3年後の再検査が推奨されます。
腺腫性ポリープが見つかった場合は、より短い間隔での検査が必要になることがあります。
リスクに応じた個別化された検査計画
年齢、家族歴の濃さ、生活習慣、併存症などを総合的に考慮し、医師と相談しながら最適な検査間隔を決定することが大切です。
喫煙、多量飲酒、高塩分食、肥満などのリスク要因がある場合は、より短い間隔での検査が推奨されます。
また、糖尿病や炎症性腸疾患などの併存症がある場合も、検査頻度を調整する必要があります。
検査結果や健康状態の変化に応じて、柔軟に検査計画を見直すことが重要です。

内視鏡検査を受ける際のポイント
家族歴がある方が内視鏡検査を受ける際には、いくつかの重要なポイントがあります。
これらのポイントを押さえることで、より精度の高い検査を受けることができます。
消化器・内視鏡専門医による検査を選ぶ
高度な観察技術を持つ専門医による検査が、早期発見の鍵となります。
特に、家族歴がある方では見つけにくいタイプのがんが発生することもあるため、拡大内視鏡やNBI(狭帯域光)などの高度な観察技術を用いた検査が推奨されます。
消化器・内視鏡専門医は、微細な病変を見逃さない観察力と、適切な生検・治療の判断力を持っています。
検査を受ける際は、医師の専門性や経験を確認することが大切です。
鎮静剤を使用した無痛検査を選択する
定期的な検査を継続するためには、検査の苦痛を最小限に抑えることが重要です。
鎮静剤(麻酔)を使用した無痛の胃カメラ・大腸カメラ検査を選択することで、検査への心理的ハードルを下げることができます。
特に大腸カメラ検査は、鎮静剤を使用することで、ほとんど苦痛を感じることなく検査を受けることができます。
検査後は少し休んでから帰宅できますが、当日の車の運転は控える必要があります。
家族歴を必ず医師に伝える
検査前の問診で、家族のがんの既往について詳しく伝えることが大切です。
何歳で診断されたか、何人の家族ががんになったかなどの情報は、検査の精度や今後の検査計画に影響します。
また、家族が受けた治療内容や、遺伝性腫瘍症候群の診断を受けているかどうかも重要な情報です。
これらの情報を正確に伝えることで、より適切な検査と診断が可能になります。
ポリープが見つかった場合は切除を
大腸カメラ検査でポリープが見つかった場合、その場で切除できることが多くあります。
ポリープの切除は大腸がんの予防に直結するため、積極的に対応することが推奨されます。
切除したポリープは病理検査に提出され、良性か悪性かを判定します。
この結果によって、次回の検査時期が決定されます。
検診だけでなく生活習慣の改善も重要
定期的な検査と並行して、生活習慣の改善もがん予防には欠かせません。
検査で早期発見することも大切ですが、そもそもがんを発症させないための予防が最も重要です。
胃がん予防のための生活習慣
塩分の摂りすぎは胃がんのリスクを高めます。
減塩を心がけ、野菜や果物を積極的に摂取することが推奨されます。
特に、塩辛い食品や加工食品の摂取を控えることが重要です。
喫煙は胃がんの発症リスクを高めるため、禁煙が強く推奨されます。
ピロリ菌感染が確認された場合は、除菌治療を受けることが重要です。
除菌治療は1週間程度の内服で完了し、成功率は約80~90%です。
除菌後も定期的な検査を継続することで、胃がんのリスクをさらに下げることができます。
大腸がん予防のための生活習慣
飲酒は大腸がんの発症に関係しているため、適量を守ることが大切です。
特に、多量飲酒(1日あたり日本酒換算で2合以上)は大腸がんのリスクを高めます。
肥満は結腸がんの発生リスクを高めるため、適正体重の維持が推奨されます。
BMI(体格指数)を25未満に保つことが目標です。
運動不足は大腸がんのリスクを高めるため、定期的な運動習慣を持つことが重要です。
週に150分程度の中等度の運動(ウォーキングなど)が推奨されます。
喫煙は大腸がん、特に直腸がんとの関係性が高いため、禁煙が推奨されます。
食物繊維を多く含む食品(野菜、果物、全粒穀物など)を積極的に摂取することも、大腸がん予防に有効です。

まとめ|家族歴がある方の検診戦略
家族に胃がんや大腸がんの既往がある方は、一般の方よりも高いリスクを持っています。
しかし、適切な時期から定期的な内視鏡検査を受けることで、早期発見・早期治療が可能です。
胃がんの家族歴がある方は40歳前後から、大腸がんの家族歴がある方は最も若い家族の発症年齢より10歳若い年齢または40歳から検査を開始しましょう。
検査の頻度は、胃がんでは1~2年ごと、大腸がんでは3~5年ごとが目安となります。
消化器・内視鏡専門医による高精度な検査を選び、鎮静剤を使用した無痛検査で継続的な検診を実現することが重要です。
また、検診だけでなく、生活習慣の改善も並行して行うことで、がんのリスクをさらに下げることができます。
ご自身やご家族の健康を守るため、今日から適切な検診戦略を始めてみませんか。
詳しい検査内容や検診計画については、消化器・内視鏡専門医にご相談ください。
石川消化器内科内視鏡クリニックでは、家族歴がある方に最適な検診プランをご提案しています。
鎮静剤を使用した無痛の胃カメラ・大腸カメラ検査を実施しており、初診当日の検査や土曜日の検査にも対応しています。
高性能な拡大内視鏡を導入し、大学病院に劣らない精度の高い検査が可能です。
ご予約は電話(06-6180-7778)またはWEBから承っております。
大阪市城東区「蒲生四丁目駅」5番出口すぐの好立地で、お気軽にご来院いただけます。
家族歴がある方の不安を解消し、安心して検査を受けていただけるよう、スタッフ一同サポートいたします。

著者情報
石川消化器内科・内視鏡クリニック
院長 石川 嶺 (いしかわ れい)
経歴
平成24年 近畿大学医学部医学科卒業
平成24年 和歌山県立医科大学臨床研修センター
平成26年 名古屋セントラル病院(旧JR東海病院)消化器内科
平成29年 近畿大学病院 消化器内科医局
令和4年11月2日 石川消化器内科内視鏡クリニック開院




