コラム

2026.02.14

胃カメラと大腸カメラの同時検査〜メリット・費用・所要時間を徹底解説

「胃カメラと大腸カメラって、同じ日に受けられるの?」

そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。実は、胃カメラと大腸カメラを同時に検査することは可能です。1日で両方の検査が完了し、通院回数や前処置の負担が大きく軽減されます。

忙しい日常を送る現役世代の方にとって、何度も病院に通うことは大きな負担です。また、検査前の食事制限や下剤の内服といった準備も、1回で済めば心身への負担が減ります。

この記事では、胃カメラと大腸カメラの同時検査について、メリット・デメリット、費用、所要時間、適している方の条件などを、消化器内科専門医の視点から詳しく解説します。効率的に検査を受けたい方は、ぜひ参考にしてください。

胃カメラ・大腸カメラの順序で迷ったら

症状や目的によって「先に行う検査」が変わることがあります。初診では所要時間や当日の注意点も含めて確認できます。
不安解消メモ:初診で検査の流れ・準備(食事/下剤/鎮静)をまとめて案内します。

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胃カメラと大腸カメラの同時検査とは

胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)と大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)を、同じ日に続けて実施する検査方法です。通常、それぞれ別の日に受けることが多いですが、鎮静剤を使用することで、1回の来院で両方の検査を済ませることができます。

検査の流れとしては、まず胃カメラで食道・胃・十二指腸を観察し、その後、検査台に寝たまま体勢を変えて大腸カメラで直腸から盲腸まで観察します。鎮静剤を使用すれば、ウトウトした状態で両方の検査を受けられるため、苦痛を最小限に抑えることが可能です。

同時検査は、専門的な内視鏡技術と特殊な設備を完備した医療機関でのみ実施可能です。内視鏡専門医が常駐し、リカバリールームなどの環境が整った施設で安全に行われます。

同時検査の3つの大きなメリット

時間的・経済的な負担が軽減される

最大のメリットは、1回の来院で済むことです。

胃カメラと大腸カメラを別々に受ける場合、それぞれの検査日に半日から1日の時間を確保する必要があります。事前の診察、検査当日、結果説明と、最大で6回の通院が必要になることもあります。

同時検査なら、これらをすべて大腸カメラの検査日にまとめることができます。仕事や家庭の日程調整も1回で済み、待ち時間も短縮できます。忙しい現役世代の方にとって、時間的な負担が大幅に軽減されるのです。

食事制限と前処置が1回で完了

検査前の準備も、同時検査なら1回で済みます。

胃カメラでは前日の夕食後から絶食が必要で、大腸カメラでは前日から食事制限と下剤の内服が必要です。別々に受ける場合、これらの準備を2回繰り返すことになります。

同時検査では、大腸カメラの準備に合わせて胃カメラの準備も同時に行えるため、食事制限の回数が減り、心身への負担が軽くなります。前日の食事制限、当日朝の下剤内服といった一連の流れを1回で完結できるのです。

鎮静剤と検査時の緊張が1回で済む

検査への緊張感も、1回で済むのは大きなメリットです。

検査台に上がる緊張、点滴を受ける不安、検査中の苦痛・・・これらを2回経験するのは、精神的にも負担が大きいものです。同時検査なら、鎮静剤を使用して眠った状態で両方の検査を受けられるため、緊張や不安を感じる回数が減ります。

また、鎮静剤使用後は車の運転ができませんが、同時検査なら運転制限も1日で済むため、日常生活への影響も最小限に抑えられます。

知っておきたいデメリットと注意点

鎮静剤の使用がほぼ必須となる

同時検査では、鎮静剤の使用が強く推奨されます。

鎮静剤を使用せずに検査を受けると、胃カメラでの嘔吐反射が強く出た場合、お腹にガスが溜まり、大腸カメラの検査が困難になる可能性があります。また、検査時間が長くなるため、患者様の苦痛も増してしまいます。

鎮静剤を使用することで、リラックスした状態で両方の検査を受けられ、正確な診断も可能になります。ただし、鎮静剤の使用量は単独検査と比べてやや増える可能性があります。もちろん、適切な量を調整しながら安全に使用しますので、過度な心配は不要です。

検査時間と休憩時間がやや長くなる

同時検査の所要時間は、単独検査よりも長くなります。

胃カメラと大腸カメラを合わせた検査時間は、20〜30分程度です。ポリープの切除や生検を行う場合は、さらに時間がかかることもあります。また、鎮静剤の効果が切れるまで、院内のリカバリールームで30〜60分程度休憩していただく必要があります。

検査前の準備から結果説明まで含めると、半日程度の時間を確保していただくことになります。ただし、2回に分けて受けるよりは、トータルの時間は短縮できます。

症状がない場合は保険適用にならない

無症状の方が同時検査を受ける場合、自費診療となります。

内視鏡検査は、腹痛・下痢・便秘・血便・胃痛・胸やけなどの症状がある場合、または医師から定期検査を指示されている場合に保険適用となります。症状がない方が検診目的で受ける場合は、自費での検査となります。

ただし、地域によっては保険適用の条件が異なる場合もあります。検査を検討される際は、事前に医療機関に確認することをおすすめします。

同時検査の費用はどのくらい?

同時検査の費用は、保険適用の有無や処置内容によって変わります。

保険診療(3割負担)の場合、同時検査の費用は約14,000円が目安です。胃カメラ単独では約4,500円、大腸カメラ単独では約7,500円ですので、別々に受けるよりも若干お得になります。

ポリープの切除を行った場合は、約25,000〜35,000円程度となります。生検(組織検査)を行った場合は、胃カメラで約7,000円、大腸カメラで約10,000円が目安です。

自費診療の場合は、医療機関によって費用が異なりますので、事前に確認することをおすすめします。

検査の流れと所要時間

前日の準備

検査前日は、繊維の少ない食事を摂っていただきます。

夕食は20時頃までに済ませ、それ以降は絶食となります。水分は摂取可能ですが、牛乳やジュースなど不透明な飲み物は避けてください。就寝前に、指定された下剤を内服していただきます。

何を食べればよいか分からない方には、検査食をご用意している医療機関もありますので、事前に確認してみてください。

当日の朝から検査まで

当日の朝8時頃から、下剤を内服していただきます。

約2リットルの下剤を2〜3時間かけて飲み、便がきれいになるまで待ちます。12時頃までに便が透明になったら、指定された時間に来院していただきます。便がきれいにならない場合は、医療機関に連絡すれば対応してもらえます。

来院後は検査着に着替え、検査室に入室します。生体モニターを装着し、点滴を開始します。鎮静剤を使用して、ウトウトした状態で検査を開始します。

検査中の流れ

まず胃カメラで食道・胃・十二指腸を観察します。

必要に応じて生検(組織検査)を行います。胃カメラが終了したら、検査台に寝たまま体勢を変え、速やかに大腸カメラを開始します。盲腸まで挿入した後、上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸・直腸をしっかりと観察します。

ポリープが見つかった場合は、可能な範囲で切除を行います。検査時間は20〜30分程度ですが、処置内容によって前後します。

検査後の休憩と結果説明

検査後は、鎮静剤の効果を拮抗する薬を投与します。

その後、リカバリールームで30分程度休憩していただきます。鎮静剤の効果が切れてきたら着替えていただき、医師から検査結果の説明を受けます。生検やポリープ切除を行った場合は、後日、病理結果の説明がありますので、再診予約を取って帰宅していただきます。

同時検査が適している方・おすすめの方

以下のような方には、同時検査が特におすすめです。

  • 健康診断で便潜血陽性と胃の不調がある方 – 両方の検査が必要な場合、1回で済ませられます
  • 胃がん・大腸がんの家族歴がある方 – 定期的な検査が必要な方にとって、負担軽減になります
  • 多忙で何度も通院が難しい方 – 仕事や家庭の都合で時間が取りにくい方に最適です
  • 検査のたびに緊張しやすい方 – 1回で済ませることで、精神的負担が軽減されます
  • 鎮静剤を使った楽な検査を希望される方 – 苦痛を最小限に抑えた検査が可能です

ただし、ご高齢の方や持病をお持ちの方は、安全を優先して別日に分けることをおすすめする場合もあります。医師と相談しながら、最適な検査方法を選択してください。

検査前後に気をつけたいポイント

事前準備について

検査前日は、繊維の多い食品を避けてください。

海藻類・きのこ類・こんにゃく・ごぼうなどは、消化に時間がかかるため控えましょう。また、種のある果物(いちご・キウイなど)も避けた方が良いでしょう。

常用薬がある方は、事前に医師に相談してください。血液をサラサラにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)を服用している方は、休薬が必要な場合があります。糖尿病の薬も、検査当日は調整が必要です。

検査後の過ごし方

検査後は、鎮静剤の影響で眠気やふらつきが残ることがあります。

当日は車やバイク、自転車の運転は絶対に避けてください。公共交通機関を利用するか、ご家族に送迎をお願いすることをおすすめします。また、重要な判断を伴う仕事や契約なども避けた方が良いでしょう。

食事は、検査後1時間程度経過してから、消化の良いものから始めてください。ポリープを切除した場合は、当日はお粥やうどんなど、柔らかいものを選びましょう。アルコールや刺激物は、数日間控えることをおすすめします。

激しい運動や重いものを持つことも、1週間程度は避けてください。特にポリープ切除後は、出血のリスクがあるため注意が必要です。

よくあるご質問

胃カメラと大腸カメラは必ず同時に受けないといけませんか?

いいえ、必ずしも同時に受ける必要はありません。

患者様の体調やご希望に応じて、別々に受けることも可能です。ご高齢の方や持病をお持ちの方は、安全を優先して別日に分けることをおすすめする場合もあります。医師と相談しながら、最適な方法を選択してください。

検査は痛いですか?

鎮静剤を使用すれば、ほとんど痛みを感じることなく検査を受けられます。

ウトウトした状態で検査が進むため、苦痛を最小限に抑えることができます。鎮静剤を使用しない場合は、胃カメラでの嘔吐反射や、大腸カメラでの腹部の張りを感じることがありますが、医師が丁寧に対応しますので、ご安心ください。

検査後はすぐ帰れますか?

鎮静剤の効果が切れるまで、30分〜1時間程度の休憩が必要です。

リカバリールームで休憩していただき、医師が問題ないと判断したら帰宅していただけます。検査前の準備から結果説明まで含めると、半日程度の時間を確保していただくことになります。

まとめ:同時検査で効率的に健康管理を

胃カメラと大腸カメラの同時検査は、時間的・経済的な負担を軽減できる効率的な検査方法です。

1回の来院で両方の検査が完了し、食事制限や前処置も1回で済みます。鎮静剤を使用すれば、苦痛を最小限に抑えながら、正確な診断を受けることができます。

ただし、検査時間がやや長くなることや、鎮静剤の使用がほぼ必須となることなど、注意点もあります。また、症状がない場合は自費診療となる点も理解しておく必要があります。

胃腸に症状がある方、健康診断で要再検査となった方、家族歴がある方は、早めの検査をおすすめします。忙しい方にこそ、同時検査は大きなメリットがあります。

当院では、消化器内科・内視鏡専門医として、患者様一人ひとりの状況に合わせた最適な検査方法をご提案しています。同時検査についてご不安な点があれば、お気軽にご相談ください。

あなたの健康を守るために、適切なタイミングで検査を受けることが大切です。

胃カメラ・大腸カメラの同時検査をご検討の方へ

石川消化器内科内視鏡クリニックでは、消化器内科専門医による安全で正確な内視鏡検査を提供しています。鎮静剤を使用した苦痛の少ない検査も可能です。

お電話またはWEBからご予約いただけます。

🌐 公式サイト:https://www.sanreikai.com/

次の一歩:まずは「どちらから」を相談

受ける順番・同日検査の可否は、症状や既往歴で変わります。無理のないスケジュールで調整しましょう。
不安解消メモ:当日の過ごし方(食事・運転可否など)も事前に確認できます。

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著者情報

石川消化器内科・内視鏡クリニック
院長 石川 嶺 (いしかわ れい)

経歴

平成24年 近畿大学医学部医学科卒業
平成24年 和歌山県立医科大学臨床研修センター
平成26年 名古屋セントラル病院(旧JR東海病院)消化器内科
平成29年 近畿大学病院 消化器内科医局
令和4年11月2日 石川消化器内科内視鏡クリニック開院

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