コラム

2026.02.16

内視鏡検査が必要か判断できるフローチャート〜症状別の受診タイミング

はじめに〜内視鏡検査を受けるべきか迷っているあなたへ

「この症状で内視鏡検査は必要なのだろうか…」

外来でこのようなご相談を受けることは、本当に多いです。

胃痛や腹痛、便秘や下痢といった症状があっても、「もう少し様子を見てもいいのでは?」「わざわざ検査を受けるほどではないかも…」と迷われる方は少なくありません。

内視鏡検査は、胃や大腸の病気を早期に発見するために非常に有用な検査です。しかし、すべての方に無条件で必要というわけではありません。大切なのは、「必要な人が、必要なタイミングで受けること」です。

この記事では、消化器内科専門医・内視鏡専門医の視点から、症状別に内視鏡検査の必要性を判断するためのフローチャートと、受診タイミングの目安をわかりやすく解説します。年齢や家族歴も考慮した判断基準をお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

症状が続くときは、受診のタイミングを一緒に確認

フローチャートで目安を整理しても、最終判断は症状・既往歴で変わります。気になる点があれば早めに相談がおすすめです。
不安解消メモ:初診で「必要な検査」と「検査の流れ」をまとめて説明します。

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内視鏡検査でわかること〜早期発見の重要性

内視鏡検査では、胃カメラ(上部消化管内視鏡)や大腸カメラ(下部消化管内視鏡)を用いて、消化管の粘膜を直接観察します。

血液検査や腹部エコーでは分かりにくい異常も、内視鏡検査で見つかることは少なくありません。

胃カメラで発見できる主な疾患

  • 胃がん・食道がん…早期発見により内視鏡治療が可能
  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍…出血や穿孔のリスクを早期に把握
  • 逆流性食道炎…胸焼けや呑酸の原因を特定
  • 慢性胃炎・ピロリ菌感染…将来の胃がんリスクを評価

大腸カメラで発見できる主な疾患

  • 大腸がん・大腸ポリープ…早期発見により内視鏡治療が可能
  • 潰瘍性大腸炎・クローン病…炎症性腸疾患の診断と経過観察
  • 大腸憩室炎…腹痛や発熱の原因を特定
  • 過敏性腸症候群…他の疾患を除外し診断を確定

特に、胃がんや大腸がんは早期発見により治療成績が大きく向上します。内視鏡検査は、これらのがんを早期に発見するための最も重要な検査のひとつです。

症状別フローチャート〜この症状で内視鏡検査は必要?

ここでは、代表的な症状ごとに内視鏡検査の必要性を判断するためのフローチャートをご紹介します。

ご自身の症状に当てはまる項目をチェックしながら、受診の目安としてください。

①胃痛・みぞおちの痛みが続く場合

以下の症状が2週間以上続く場合は、胃カメラを検討しましょう。

  • みぞおちの痛み・不快感
  • 胃もたれがなかなか取れない
  • 食後に胃が重い感じが続く
  • 空腹時の胃痛

「いつもの胃痛」と思っていても、背景に胃潰瘍や十二指腸潰瘍などが隠れていることがあります。

②胸焼け・呑酸が続く場合

次のような症状が続く場合は、逆流性食道炎などの可能性があります。

  • 胸焼けが続く
  • 酸っぱいものが上がってくる(呑酸)
  • のどの違和感・声がれが続く

多くは良性の病気ですが、症状が強い場合や長引く場合は、背景に重大な疾患が隠れていないかどうか胃カメラで確認することがあります。

③食欲低下・体重減少がある場合

以下の症状がある場合は、注意が必要です。

  • 食欲がだんだんと落ちてきた
  • 意識していないのに体重が減ってきた

特に中高年以降では、食道がん・胃がんなどを除外することが重要になります。

④黒い便・貧血を指摘された場合

次の症状がある場合は、速やかに受診してください。

  • 便が黒っぽい(タール便)
  • 健康診断で貧血を指摘された

黒い便は、胃や十二指腸からの出血が原因のことがあります。自覚症状が乏しくても、胃カメラで原因を確認する必要があります。

⑤便秘・下痢を繰り返す場合

以下の症状が続く場合は、大腸カメラを検討しましょう。

  • 下痢と便秘を繰り返す
  • 便に血が混じる
  • 腹痛を伴う排便異常

過敏性腸症候群などの機能的な問題の可能性もありますが、大腸がんや炎症性腸疾患を除外することが重要です。

⑥便潜血陽性と指摘された場合

健康診断で便潜血陽性と言われた場合は、必ず大腸カメラを受けてください。

便潜血検査は大腸がんのスクリーニング検査として有用ですが、陽性の場合は精密検査が必要です。「痔だから大丈夫」と自己判断せず、必ず大腸カメラで確認しましょう。

年齢と家族歴を考慮した受診タイミング

症状がなくても、年齢や家族歴によっては内視鏡検査を検討すべき場合があります。

40代を過ぎて一度も胃カメラを受けたことがない方

40代以降は胃がんのリスクが高まる年代です。

症状がなくても、一度は胃カメラを受けておくことをおすすめします。胃カメラの結果をふまえて、今後の検査の必要性や頻度を一緒に検討していきます。

家族に胃がん・大腸がんの方がいる場合

家族歴がある方は、がんのリスクが高くなることが知られています。

一般的には、家族が発症した年齢より5〜10年早めに検査を開始することが推奨されます。例えば、親が50歳で胃がんと診断された場合、40〜45歳頃から定期的な胃カメラを検討します。

ピロリ菌陽性と言われたことがある方

ピロリ菌感染があると、胃がんのリスクが高くなることが知られています。

除菌治療を受けた後も、定期的な胃カメラが大切です。除菌後も胃がんのリスクはゼロにはならないため、年に1回程度の定期検査をおすすめします。

内視鏡検査を受けるべきか迷ったときの判断基準

「症状はあるけれど、まだ様子を見てもいいのでは?」と迷われる方も多いでしょう。

ここでは、内視鏡検査を受けるべきか迷ったときの判断基準をお伝えします。

今すぐ内視鏡検査が必要な「危険なサイン」

以下の症状がある場合は、速やかに受診してください。

  • 激しい腹痛
  • 吐血や黒い便(タール便)
  • 意識していない体重減少(1ヶ月で3kg以上)
  • 嚥下困難(食べ物が飲み込みにくい)
  • 持続する嘔吐

これらの症状は、重大な疾患のサインである可能性があります。

経過観察でも良い場合

以下のような場合は、内服治療や経過観察を優先することもあります。

  • 一時的な胃痛で、すでに改善傾向
  • 明らかな生活習慣の原因(飲みすぎ・食べすぎ)がある
  • 若年で危険な症状がない場合

ただし、症状が2週間以上続く場合や、繰り返す場合は、一度受診してご相談ください。

迷ったときは受診して相談することが一番の近道

「内視鏡検査を受けるべきか迷っている」という方は、まずは受診してご相談ください。

症状や経過をお伺いし、内視鏡検査の必要性について丁寧に判断いたします。「初めてで怖い」という方も、まずはお気軽にご相談ください。

内視鏡検査の流れと準備〜初めての方へ

内視鏡検査を受けることが決まったら、検査の流れと準備について知っておくと安心です。

胃カメラの流れ

  • 検査前日…午後9時以降は絶食(水やお茶は飲んでも構いません)
  • 検査当日…朝食は摂らずにご来院ください
  • 検査時間…5〜10分程度(鎮静剤を使用する場合は休息時間を含めて30分〜1時間程度)
  • 検査後…鎮静剤を使用しない場合は、すぐに帰宅可能

大腸カメラの流れ

  • 検査前日…消化の良い食事を摂り、夜に下剤を服用
  • 検査当日…朝から腸管洗浄液を服用(約2リットル)
  • 検査時間…15〜30分程度(鎮静剤を使用する場合は休息時間を含めて1〜2時間程度)
  • 検査後…鎮静剤を使用しない場合は、すぐに帰宅可能

鎮静剤の使用について

当院では、患者様のご希望に応じて鎮静剤を使用することができます。

鎮静剤を使用すると、リラックスした状態で検査を受けられ、痛みや吐き気を和らげることができます。ただし、鎮静剤を使用した場合は、当日の車の運転はできません。

出典

   日本消化器内視鏡学会「内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン(第2版)」

よくある質問〜内視鏡検査への不安を解消

内視鏡検査に対する不安や疑問は、誰もが抱くものです。ここでは、よくある質問にお答えします。

Q1. 内視鏡検査は痛いですか?

経験豊富な医師が丁寧に操作することで、痛みを最小限に抑えることができます。

また、鎮静剤を使用することで、眠っている間に検査を終えることも可能です。当院では、患者様の苦痛を極力抑えた内視鏡検査を実践しております。

Q2. 検査時間はどのくらいかかりますか?

胃カメラは5〜10分程度、大腸カメラは15〜30分程度です。

鎮静剤を使用する場合は、休息時間を含めて胃カメラで30分〜1時間程度、大腸カメラで1〜2時間程度を見込んでください。

Q3. 検査後はすぐに帰れますか?

鎮静剤を使用しない場合は、検査後すぐに帰宅できます。

鎮静剤を使用した場合は、30分〜1時間程度の休息が必要です。また、当日の車の運転はできませんので、ご注意ください。

Q4. 検査費用はどのくらいかかりますか?

保険適用の場合、胃カメラは3割負担で約4,000円前後、大腸カメラは約6,000円前後です。

ポリープ切除などの処置を行った場合は、追加費用がかかります。詳しくは受診時にご確認ください。

Q5. 服薬中でも検査を受けられますか?

多くの場合、服薬中でも検査を受けることができます。

ただし、抗血栓薬(血液をサラサラにする薬)を服用している場合は、事前にご相談ください。休薬の必要性について、主治医と相談しながら判断します。

まとめ〜必要な人が、必要なタイミングで受けることが大切

内視鏡検査は、胃や大腸の病気を早期に発見するために非常に有用な検査です。

しかし、すべての方に無条件で必要というわけではありません。大切なのは、「必要な人が、必要なタイミングで受けること」です。

この記事でご紹介した症状別フローチャートや受診タイミングの目安を参考に、ご自身の状況に合わせて判断してください。迷ったときは、まずは受診してご相談いただくことが一番の近道です。

石川消化器内科内視鏡クリニックでは、消化器内科専門医・内視鏡専門医が診察を行い、内視鏡検査の必要性について丁寧に判断しています。「初めてで怖い」という方も、まずはお気軽にご相談ください。

あなたの健康を守るために、早期発見・早期治療を心がけましょう。

症状が気になる方、内視鏡検査を検討されている方は、ぜひ一度ご相談ください。

次の一歩:迷うなら「相談→必要なら検査」

症状が長引く・繰り返す場合は、検査が必要かどうかを医師と一緒に整理しましょう。
不安解消メモ:費用の目安や当日の注意点も事前に確認できます。

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著者情報

石川消化器内科・内視鏡クリニック
院長 石川 嶺 (いしかわ れい)

経歴

平成24年 近畿大学医学部医学科卒業
平成24年 和歌山県立医科大学臨床研修センター
平成26年 名古屋セントラル病院(旧JR東海病院)消化器内科
平成29年 近畿大学病院 消化器内科医局
令和4年11月2日 石川消化器内科内視鏡クリニック開院

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