
胃カメラと大腸カメラ、どちらを先に受けるべきか迷っていませんか?
症状や年齢、検査目的によって最適な順序は異なります。
当院では日々、「両方必要だけど、どちらから受けたらいいですか?」というご相談をいただきます。
この記事では、消化器内科・内視鏡専門医として、それぞれのケースに応じた判断基準と同時検査のメリットについて詳しく解説します。
同時検査(胃カメラ+大腸カメラ)を検討中の方へ
食事制限や通院回数をまとめられる一方、当日の予定調整が必要な場合もあります。適した形を相談できます。
不安解消メモ:費用・所要時間の目安や当日の注意点を事前に確認できます。
検査の順序を決める3つの判断基準
胃カメラと大腸カメラ、どちらを先に受けるべきかは、以下の3つの基準で判断します。
症状から判断する
まず最も重要なのは、今ある症状です。
上腹部の痛みや胸やけ、のどの違和感がある場合は、胃カメラを優先します。
一方、下腹部の痛みや便通異常、血便がある場合は大腸カメラが先です。
症状が複数ある場合は、より強い症状や日常生活への影響が大きい症状を優先して検査します。
年齢とリスク要因から判断する
年齢も重要な判断材料です。
40歳以上で一度も大腸カメラを受けたことがない方は、大腸カメラを優先することをお勧めします。
大腸がんは基本的にポリープから発生するため、早期に発見して切除することでがん化を予防できます。
50歳以上の方で胃カメラを受けたことがない場合は、胃がんのリスクも考慮して胃カメラも検討すべきです。
家族歴がある方は、該当する臓器の検査を優先します。
健診結果から判断する
健診で異常を指摘された場合は、その結果に従います。
便潜血陽性の場合は必ず大腸カメラが必要です。
バリウム検査で異常を指摘された場合は胃カメラを受けます。
貧血がある場合は、胃と大腸の両方に出血源がある可能性があるため、両方の検査が必要になることもあります。

症状別の優先順位
胃カメラを優先すべき症状
以下の症状がある場合は、胃カメラを先に受けることをお勧めします。
- 胃もたれが続く
- 胸やけや逆流感がある
- のどの違和感や異物感
- 上腹部の痛みや不快感
- 食欲低下や体重減少
- 黒い便が出る(上部消化管出血の可能性)
特に黒い便が出る場合は、胃や十二指腸からの出血が疑われるため、早急に胃カメラが必要です。
大腸カメラを優先すべき症状
以下の症状がある場合は、大腸カメラを先に受けるべきです。
- 便に血が混じる
- 便通異常(下痢と便秘を繰り返す)
- 下腹部の痛みや張り
- 便が細くなった
- 残便感がある
- 原因不明の体重減少
便潜血陽性の結果が出た場合は、症状がなくても必ず大腸カメラを受けてください。
ポリープや早期がんは無症状のことがほとんどです。
両方同時に検査すべきケース
以下のような場合は、胃カメラと大腸カメラの同日検査をお勧めします。
- 上部・下部両方に症状がある
- 貧血があり出血源が不明
- 家族に胃がん・大腸がんの既往がある
- 50歳以上で両方の検査歴がない
- 仕事の都合で何度も来院できない
同日検査は時間と負担を軽減できる効率的な方法です。
同日検査のメリットと注意点

同日検査の主なメリット
胃カメラと大腸カメラを同じ日に受けることには、いくつかの利点があります。
まず、来院回数が1回で済むため、仕事や家事への影響を最小限にできます。
食事制限も1回で済むため、準備の負担が軽減されます。
鎮静剤を使用する場合、まとめて受けることで楽に検査を終えられます。
また、消化管全体を一度にチェックできるため、がんの見落としを減らせます。
費用面でも、別々に受けるより総額が安くなる傾向があります。
同日検査に向いている方
以下のような方には、同日検査が特に適しています。
- 75歳未満で持病のない方
- 忙しくて何度も来院できない方
- 人間ドックのオプションとして受ける方
- 検査前の食事制限が辛いと感じる方
- 胃と大腸の両方に病気の可能性がある方
当院では、患者さんの状態に合わせて同日検査の可否を判断しています。
同日検査の注意点
同日検査には注意すべき点もあります。
検査時間が長くなるため、鎮静剤の量が増える可能性があります。
体質によっては、血圧低下や呼吸抑制などの副作用が生じることがあります。
以下の方は、別日での検査をお勧めする場合があります。
- 75歳以上の方
- 重篤な心臓病や呼吸器疾患がある方
- 肝硬変や腎不全と診断されている方
- 糖尿病の治療中の方
事前診察で医師が安全性を十分に確認しますので、気になる方はご相談ください。
検査を受けるタイミングと頻度
初めて検査を受ける年齢の目安
症状がない場合でも、一定の年齢になったら検査を検討すべきです。
大腸カメラは40歳になったら一度受けることをお勧めします。
40歳前後の方にも多くのポリープが見つかり、中には早期がんであった症例もあります。
胃カメラは50歳を目安に検討してください。
ただし、ピロリ菌に感染している場合は、年齢に関わらず早めの検査が必要です。
35歳で胃がんリスク検診を受け、ピロリ菌感染が判明した場合は、直ちに胃カメラを受けて除菌治療を行うべきです。
2回目以降の検査間隔
一度検査を受けた後の推奨間隔は、結果によって異なります。
胃カメラの場合、ピロリ菌による胃の荒れ具合で判断します。
胃の荒れが軽い方は3年ごと、中等度の方は2年ごと、ひどい方は1年ごとの検査をお勧めします。
ピロリ菌感染がない方でも、5年に1度程度は受けておくと安心です。
大腸カメラは、ポリープの有無や大きさによって決まります。
ポリープがなければ3〜5年ごと、小さなポリープを切除した場合は1〜2年後、大きなポリープや複数のポリープがあった場合は1年後の再検査が推奨されます。

定期検査の重要性
定期的な検査は、がんの早期発見に不可欠です。
進行がんが見つかった方の多くは、それまで一度も検査を受けていないか、10年以上前に受けたきりでした。
40歳の時にポリープがあっても症状はありません。
しかし、そのまま放置すると、静かに成長し、やがてがん化していきます。
60歳で初めて検査を受けた時には、すでに進行がんになっていた…というケースは決して珍しくありません。
大腸がんは、ポリープの段階で切除すれば、がん化を予防できます。
定期的な検査で、安心して過ごせる期間を確保しましょう。
検査前の準備と当日の流れ
検査前日の準備
検査前日は、消化に良い食事を心がけてください。
素うどん、おかゆ、豆腐、卵、やわらかく煮た野菜などがお勧めです。
消化に悪い食べ物(ゴボウ、葉野菜、トマト、ゴマ、海藻類、こんにゃく、納豆など)は避けてください。
21時までに夕食を終え、その後は絶食します。
水分は摂取できますが、牛乳やジュースは避けてください。
就寝前に下剤を服用していただきます。
検査当日の流れ
大腸カメラを受ける場合は、当日朝から腸管洗浄液を服用します。
院内で服用する方法と、自宅で服用する方法があります。
院内での服用を希望される方は、専用スペースでゆっくりお過ごしいただけます。
医師・看護師が常駐しているため、不安な時にすぐ相談できます。
便がきれいになったら、検査を開始します。
通常、大腸カメラを先に行い、その後胃カメラを実施します。
鎮静剤を使用した場合は、検査後30分ほど院内で休んでいただきます。
検査終了後、医師から結果説明があります。
組織を採取した場合やポリープを切除した場合は、2週間後に再度来院していただき、病理結果をご説明します。
検査後の注意事項
鎮静剤を使用した場合は、当日の車の運転はできません。
公共交通機関やご家族の送迎でご来院ください。
ポリープを切除した場合は、数日から1週間程度、食事や運動に制限があります。
飲酒や激しい運動、長距離の移動は控えてください。
検査後に腹痛や出血があった場合は、すぐにご連絡ください。
よくある質問

検査は痛いですか?
当院では、鎮静剤を使用した検査を行っています。
眠っている間に検査が終わるため、痛みや不快感はほとんどありません。
「思っていたより楽だった」とおっしゃる方が多いです。
鎮静剤を使用しない場合でも、経鼻内視鏡など苦痛の少ない方法を選択できます。
検査時間はどのくらいですか?
胃カメラは5〜10分、大腸カメラは15〜30分程度です。
ただし、ポリープを切除する場合は、さらに時間がかかります。
同日検査の場合、来院から帰宅まで2〜3時間程度を見込んでください。
検査日は他の予定を入れず、時間に余裕を持ってお越しください。
費用はどのくらいかかりますか?
保険診療の場合、3割負担で胃カメラは約5,000円、大腸カメラは約7,000円が目安です。
ポリープを切除した場合は、追加で10,000〜20,000円程度かかります。
同日検査の場合、別々に受けるより総額が安くなることが多いです。
人間ドックなど自費診療の場合は、料金体系が異なります。
仕事は休む必要がありますか?
検査当日は休みを取ることをお勧めします。
鎮静剤を使用した場合、検査後数時間は眠気が残ることがあります。
ポリープを切除した場合は、数日間は激しい運動や重労働を避けてください。
デスクワークであれば、翌日から通常通り働ける方がほとんどです。
まとめ
胃カメラと大腸カメラ、どちらを先に受けるべきかは、症状・年齢・健診結果によって判断します。
症状がある場合は、その症状に対応する検査を優先してください。
40歳以上で大腸カメラを受けたことがない方は、大腸カメラを検討しましょう。
50歳以上で胃カメラを受けたことがない方は、胃カメラも必要です。
忙しい方や両方の検査が必要な方には、同日検査がお勧めです。
同日検査は、来院回数や食事制限が1回で済み、時間と負担を軽減できます。
ただし、高齢の方や持病がある方は、別日での検査が適している場合もあります。
検査は「怖いもの」ではなく、「安心を得るためのもの」です。
早期発見・早期治療が、がんから命を守る最善の方法です。
当院では、苦痛の少ない内視鏡検査と、日帰りポリープ切除に対応しています。
検査に不安がある方も、お気軽にご相談ください。
あなたの健康を守るため、最適な検査プランをご提案いたします。
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石川消化器内科内視鏡クリニック
消化器内科・内視鏡専門医が丁寧に診察いたします
次の一歩:希望(同日/別日)を添えて相談
同日が難しい場合は別日で負担を減らす選択もあります。予定と体調を踏まえて調整しましょう。
不安解消メモ:前日〜当日の準備もまとめて確認できます。

著者情報
石川消化器内科・内視鏡クリニック
院長 石川 嶺 (いしかわ れい)
経歴
平成24年 近畿大学医学部医学科卒業
平成24年 和歌山県立医科大学臨床研修センター
平成26年 名古屋セントラル病院(旧JR東海病院)消化器内科
平成29年 近畿大学病院 消化器内科医局
令和4年11月2日 石川消化器内科内視鏡クリニック開院









