コラム

2026.03.14

腹痛が続くとき内視鏡検査は必要?判断基準を専門医が解説

腹痛が続いて不安を感じている方は多いでしょう。

「この痛み、様子を見ていいのかな」「内視鏡検査を受けるべきなのか」と迷われることもあると思います。

消化器内科医として多くの患者さんを診てきた経験から、腹痛の背景には様々な原因が隠れていることを実感しています。中には早期発見が重要な病気もあります。

この記事では、腹痛が続く場合に内視鏡検査が必要かどうかの判断基準について、専門医の視点から詳しく解説します。

腹痛が続くときの受診判断基準

腹痛は外来診療で最も多く遭遇する症状のひとつです。

すべての腹痛に内視鏡検査が必要というわけではありません。しかし、放置すると重大な病気を見逃す可能性もあります。

受診を検討すべき腹痛の特徴をいくつかご紹介します。

すぐに受診すべき腹痛のサイン

以下のような症状がある場合は、早めの受診をお勧めします。

  • 2週間以上続く腹痛・・・一時的な痛みではなく、慢性的に続く場合
  • 徐々に悪化する痛み・・・日を追うごとに強くなる、頻度が増える
  • 体重減少を伴う・・・意図しない体重減少は要注意
  • 血便や黒色便が出る・・・消化管出血の可能性
  • 吐き気・嘔吐が続く・・・食事が取れない状態
  • 夜間に目が覚めるほどの痛み・・・睡眠を妨げる症状

これらの症状がある場合、消化器内科を受診して詳しい検査を受けることが大切です。

様子を見てもよい腹痛とは

一方で、以下のような腹痛は一時的なものである可能性が高いです。

  • 食後すぐに起こり、数時間で治まる
  • ストレスや疲労時のみ現れる
  • 数日で自然に改善する
  • 市販薬で症状が軽減する

ただし、繰り返し起こる場合や、症状が変化する場合は受診を検討してください。

内視鏡検査で分かる腹痛の原因

内視鏡検査は、消化管内部を直接観察できる検査です。

腹痛の原因を特定するために非常に有効な手段となります。

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)で分かること

胃カメラでは、食道・胃・十二指腸を観察します。

以下のような病気を発見できます。

  • 逆流性食道炎・・・胃酸が食道に逆流して炎症を起こす
  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍・・・粘膜に傷ができる病気
  • 胃炎・・・ピロリ菌感染などによる炎症
  • 胃がん・食道がん・・・早期発見が重要
  • 機能性ディスペプシア・・・明らかな異常がないのに症状が続く状態

みぞおちの痛み、胸やけ、食後の不快感などがある場合は、胃カメラが適しています。

下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)で分かること

大腸カメラでは、大腸全体と小腸の一部を観察します。

以下のような病気の診断に役立ちます。

  • 大腸ポリープ・・・良性の腫瘍で、がん化する前に切除可能
  • 大腸がん・・・早期発見で治療成績が向上
  • 潰瘍性大腸炎・クローン病・・・炎症性腸疾患
  • 過敏性腸症候群・・・器質的異常がない機能性疾患
  • 大腸憩室症・・・腸壁にできる袋状の突出

下腹部痛、下痢と便秘の繰り返し、血便などがある場合は、大腸カメラを検討します。

胃カメラと大腸カメラ、どちらを受けるべきか

腹痛の部位や特徴によって、適切な検査が異なります。

症状別に見ていきましょう。

上腹部痛には胃カメラ

みぞおちから上の痛みは、上部消化管の問題である可能性が高いです。

以下のような症状がある場合、胃カメラをお勧めします。

  • 食後に痛みが強くなる
  • 空腹時に痛む
  • 胸やけや酸っぱいものが上がってくる感じ
  • 吐き気や嘔吐を伴う

胃カメラは口から内視鏡を挿入し、食道・胃・十二指腸を観察します。検査時間は通常10分程度です。

下腹部痛には大腸カメラ

おへその下や左右の下腹部の痛みは、大腸の問題が考えられます。

以下のような症状がある場合、大腸カメラが適しています。

  • 排便で痛みが変化する
  • 下痢や便秘が続く
  • 便に血が混じる
  • 便が細くなった

大腸カメラは肛門から内視鏡を挿入し、大腸全体を観察します。検査前には腸管洗浄剤で腸をきれいにする準備が必要です。

両方の検査が必要な場合もある

腹部全体に痛みがある、症状が複数ある場合は、両方の検査を行うこともあります。

当院では、患者さんの症状や状態に応じて、最適な検査計画をご提案しています。

内視鏡検査を受けるタイミング

検査を受けるべきタイミングについて、よくご質問をいただきます。

症状の経過や年齢によって判断が変わります。

症状が2週間以上続く場合

腹痛が2週間以上続く場合は、一度検査を受けることをお勧めします。

急性の腹痛であれば数日で改善することが多いですが、慢性的に続く場合は何らかの病気が隠れている可能性があります。

特に、症状が徐々に悪化している場合は早めの受診が大切です。

40歳以上の方は定期的な検査を

40歳を過ぎると、消化器系のがんのリスクが高まります。

症状がなくても、定期的な内視鏡検査で早期発見につながることがあります。特に以下のような方は注意が必要です。

  • 家族に消化器がんの既往がある
  • ピロリ菌感染の既往がある
  • 喫煙習慣がある
  • 飲酒量が多い

早期発見できれば、治療の選択肢も広がり、予後も良好です。

健診で異常を指摘された場合

健康診断で便潜血陽性や胃の異常を指摘された場合は、必ず精密検査を受けてください。

便潜血陽性の場合、大腸がんやポリープが見つかることがあります。胃のバリウム検査で異常があった場合も、胃カメラでの精査が必要です。

健診は病気の早期発見のための大切な機会です。異常を指摘されたら、放置せずに受診しましょう。

内視鏡検査の準備と流れ

初めて内視鏡検査を受ける方は、不安を感じることも多いでしょう。

検査の準備と当日の流れについて説明します。

胃カメラの準備

胃カメラを受ける場合、前日の夜20時以降は食事を控えてください。

当日の朝も食事は取らず、水分は検査1時間前まで可能です。糖尿病の薬を服用している方は、事前に医師に相談してください。

検査当日は、のどに麻酔をかけてから内視鏡を挿入します。鎮静剤を使用する場合もあります。

大腸カメラの準備

大腸カメラでは、腸をきれいにする準備が必要です。

検査前日は消化の良い食事を取り、当日は腸管洗浄剤を飲んで腸内をきれいにします。自宅で準備する方法と、来院後に準備する方法があります。

検査自体は30分程度で終わりますが、準備時間を含めると半日程度かかります。

検査後の注意点

鎮静剤を使用した場合、検査後1時間ほど安静が必要です。

当日の車や自転車の運転は避けてください。胃カメラの場合、のどの麻酔が切れるまで1時間程度は飲食を控えます。

組織を採取した場合は、当日の激しい運動や飲酒は控えることをお勧めします。

まとめ

腹痛が続く場合、内視鏡検査は原因を特定するための有効な手段です。

2週間以上続く痛み、体重減少、血便などの症状がある場合は、早めに消化器内科を受診してください。上腹部痛には胃カメラ、下腹部痛には大腸カメラが適していますが、症状によっては両方の検査が必要なこともあります。

40歳以上の方や家族歴がある方は、症状がなくても定期的な検査をお勧めします。

当院では、患者さん一人ひとりの症状に応じた検査計画をご提案しています。腹痛でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

腹痛が続いてお困りの方へ

石川消化器内科内視鏡クリニックでは、経験豊富な専門医が丁寧に診察いたします。

腹痛が続く場合は内視鏡検査で原因確認を

腹痛の原因には胃炎や潰瘍、大腸の病気などさまざまな可能性があります。症状が長く続く場合は胃カメラや大腸カメラによる確認が役立つことがあります。

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石川消化器内科・内視鏡クリニックでは胃カメラ・大腸カメラによる消化器検査を行っています。検査の流れや準備についても丁寧にご案内します。

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著者情報

石川消化器内科・内視鏡クリニック
院長 石川 嶺 (いしかわ れい)

経歴

平成24年 近畿大学医学部医学科卒業
平成24年 和歌山県立医科大学臨床研修センター
平成26年 名古屋セントラル病院(旧JR東海病院)消化器内科
平成29年 近畿大学病院 消化器内科医局
令和4年11月2日 石川消化器内科内視鏡クリニック開院

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