
胃カメラ検査を受けようと考えたとき、「費用はどれくらいかかるの?」「保険は使えるの?」と不安になる方は少なくありません。
胃の不調を感じていても、費用面の心配から検査をためらってしまうのは、とてももったいないことです。
実は、胃カメラ検査のほとんどは保険適用となり、思っているよりも費用負担は少なく済みます。
この記事では、消化器内科・内視鏡専門医として多くの検査を行ってきた経験をもとに、胃カメラ検査にかかる実際の費用と保険適用の条件について詳しく解説します。
胃カメラ検査の費用相場と内訳
胃カメラ検査の費用は、保険診療か自費診療かによって大きく異なります。
まずは基本的な費用の目安を知っておきましょう。
保険適用時の自己負担額
保険が適用される場合、胃カメラ検査の基本費用は全国一律で決まっています。
2024年の診療報酬点数では、胃内視鏡検査は1,140点と定められており、これを金額に換算すると11,400円(10割負担)となります。
3割負担の場合は約3,420円、2割負担(70~74歳)では約2,280円、1割負担(75歳以上)では約1,140円が基本的な検査費用です。
ただし、実際の窓口負担はこれに診察料や薬剤費が加わります。
初診で胃カメラのみを受ける場合、3割負担で約4,000円~6,000円程度が目安となります。

検査費用に含まれる項目
胃カメラ検査の費用には、いくつかの項目が含まれます。
診察料は、初めて受診する場合は初診料として約890円(3割負担)、2回目以降は再診料として約220円(3割負担)がかかります。
薬剤費として、のどや鼻の麻酔薬、胃の泡を消す薬、胃の粘膜を溶かす薬などが使用され、これらは合計で約200円(3割負担)程度です。
鎮静剤を使用する場合は、さらに約100円~600円(3割負担)が追加されます。
検査中に組織を採取して病理検査を行う場合は、内視鏡生検と病理組織検査の費用として約3,960円(3割負担)が加算されます。
自費診療の場合の費用
人間ドックなど、症状がなく健診目的で受ける場合は自費診療となります。
自費診療の費用は医療機関が自由に設定できるため、施設によって幅がありますが、一般的には12,000円~25,000円程度が相場です。
生検などの精密検査が必要になった場合も、全額自己負担となるため、保険診療に比べて高額になります。
ただし、自費診療で検査を受けた際に病変が発見された場合、病理検査は保険適用となることがあります。
保険適用になる条件とは
胃カメラ検査で保険が適用されるかどうかは、医師の判断によって決まります。
どのような場合に保険が使えるのか、具体的に見ていきましょう。
症状がある場合
胃痛、胸やけ、吐き気、腹痛、食欲不振、体重減少などの症状がある場合、医師が検査の必要性を認めれば保険適用となります。
これらの症状は、胃炎、胃潰瘍、胃がんなどの病気のサインである可能性があるため、原因を調べる目的での検査は保険診療の対象です。
症状の程度に関わらず、医師が「検査が必要」と判断すれば保険が適用されます。
検査異常がある場合
血液検査で貧血が見つかった場合や、腫瘍マーカーの上昇が認められた場合も、保険適用の対象となります。
また、便潜血検査で陽性となった場合や、バリウム検査で異常が指摘された場合も、精密検査として胃カメラを受けることができます。
健康診断や人間ドックで「要精密検査」と判定された場合は、その後の検査は保険診療となります。

定期検査が必要な場合
過去に胃がんやポリープが見つかり、定期的な経過観察が必要と医師が判断した場合も、保険適用で検査を受けられます。
慢性胃炎やピロリ菌感染後の経過観察なども、医師の指示があれば保険診療の範囲内です。
家族歴がある方で、医師が定期的な検査を推奨した場合も、保険が適用されることがあります。
鎮静剤使用時の追加費用
胃カメラ検査では、鎮静剤を使用して眠った状態で検査を受けることができます。
いわゆる「無痛内視鏡検査」と呼ばれる方法です。
鎮静剤の費用
鎮静剤を使用する場合、使用する薬剤によって費用は異なりますが、3割負担で約100円~600円程度の追加費用がかかります。
検査費用全体から見れば比較的少額なため、検査時の苦痛を軽減したい方には積極的に検討する価値があります。
鎮静剤を使用しても、保険適用の条件は変わりません。
鎮静剤使用時の注意点
鎮静剤を使用した場合、検査後は一定時間の安静が必要です。
当日の車の運転はできませんので、公共交通機関を利用するか、付き添いの方に送迎をお願いする必要があります。
また、検査後の仕事復帰については、鎮静剤の効果が完全に切れるまで時間がかかることを考慮しましょう。

生検や追加検査が必要な場合の費用
検査中に疑わしい病変が見つかった場合、組織を採取して詳しく調べることがあります。
この場合、追加の費用が発生します。
病理組織検査の費用
内視鏡検査中に組織を採取(生検)し、顕微鏡で詳しく調べる病理組織検査を行う場合、3割負担で約3,960円の追加費用がかかります。
生検を行った場合の総費用は、観察のみの検査と比べて約9,000円~12,000円(3割負担)となります。
生検は、がんや炎症の程度を正確に診断するために重要な検査です。
特殊光観察の費用
NBIやFICEなどの狭帯域光強調観察を用いた精密検査を行う場合、3割負担で約600円の加算があります。
また、インジゴカルミンやルゴール液などの色素を使用して病変を浮かび上がらせる検査を行う場合も、3割負担で約180円の追加費用がかかります。
これらの検査は、より正確な診断のために必要に応じて実施されます。

人間ドックと保険診療の違い
胃カメラ検査を受ける方法には、人間ドックとして受ける場合と、保険診療で受ける場合があります。
それぞれの違いを理解しておきましょう。
費用面での違い
人間ドックは全額自己負担となるため、費用は高額です。
一方、保険診療では年齢に応じて1割~3割の負担で済みます。
症状がある場合や、健診で異常が見つかった場合は、保険診療で検査を受けることができるため、費用負担を大きく抑えられます。
検査内容の違い
保険診療では、医師が必要と判断した検査が行われます。
人間ドックでは、施設によっては生検などの精密検査に対応していない場合もあります。
もし人間ドックで病変が見つかった場合、別の医療機関で再度検査を受ける必要が生じることもあり、結果的に時間と費用の両面で負担が増える可能性があります。
どちらを選ぶべきか
症状がある方や、健診で異常を指摘された方は、保険診療での検査をお勧めします。
症状がなく、予防的に検査を受けたい場合でも、まずは医師に相談することで、保険適用の可能性を確認できます。
当院では、初診時から胃カメラ検査を受けることが可能です。
医療費控除や生命保険の適用について
胃カメラ検査の費用は、条件を満たせば医療費控除の対象となります。
また、生命保険の給付金を受けられる場合もあります。
医療費控除の対象
1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合、確定申告で医療費控除を受けることができます。
胃カメラ検査の費用も、診断や治療のために必要な検査であれば、医療費控除の対象となります。
ただし、人間ドックなど予防目的の検査は、原則として医療費控除の対象外です。
ただし、人間ドックで病気が見つかり、その後治療を受けた場合は、人間ドックの費用も医療費控除の対象となる可能性があります。
生命保険の給付金について
診断目的の胃カメラ検査は、一般的に生命保険の給付対象外です。
しかし、検査中にポリープ切除などの治療が行われた場合は、手術給付金の対象となる可能性があります。
また、病理検査でがんの診断が出た場合は、がん保険の給付対象となります。
ご自身が加入されている保険の補償範囲を確認しておくことをお勧めします。
まとめ
胃カメラ検査の費用は、保険適用の場合、3割負担で約4,000円~6,000円程度が一般的です。
症状がある方、検査異常がある方、定期検査が必要な方は、保険診療で検査を受けることができます。
鎮静剤の使用や生検が必要な場合は追加費用がかかりますが、それでも自費診療に比べれば大幅に費用を抑えられます。
胃の不調を感じている方は、費用を心配せずに、まずは消化器内科を受診してください。
早期発見・早期治療が、健康を守る最善の方法です。
石川消化器内科内視鏡クリニックでは、患者様の負担を軽減する内視鏡検査を提供しています。
費用や検査についてのご不安がある方は、お気軽にご相談ください。
初診時から胃カメラ検査を受けることが可能です。
あなたの健康を守るために、私たちが全力でサポートいたします。
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著者情報
石川消化器内科・内視鏡クリニック
院長 石川 嶺 (いしかわ れい)
経歴
平成24年 近畿大学医学部医学科卒業
平成24年 和歌山県立医科大学臨床研修センター
平成26年 名古屋セントラル病院(旧JR東海病院)消化器内科
平成29年 近畿大学病院 消化器内科医局
令和4年11月2日 石川消化器内科内視鏡クリニック開院









