フォシーガの減量効果は主に以下の仕組みによって生まれます。

余分な糖を尿として排泄する

腎臓で再吸収されるはずのブドウ糖が尿中に排出されるため、1日あたり約200〜300kcalのエネルギー消費が期待できます。このカロリー消費が体重減少の一因となります。

血糖値の上下が穏やかになり、食欲が安定する

急激な血糖上昇が抑えられることで、食後の過食・間食の抑制に役立つケースがあります。

内臓脂肪の減少につながる可能性

糖の排泄が続くと、体内のエネルギー収支がマイナスになり、体が脂肪をエネルギーとして使いやすくなります。そのため、内臓脂肪の減少につながることがあると報告されています。

ただし、「飲むだけで確実に痩せる薬」ではなく、食事・運動などの生活習慣改善と併用することで効果を最大化できる薬である点が大切です。

当院では、フォシーガを安全に使用していただくため、以下の流れで治療を進めます。

フォシーガには以下のような副作用が知られています。

• 脱水
  尿量が増えるため、こまめな水分摂取が必須です。
• 尿路感染症・性器感染症
  糖が尿に排泄されることで、細菌や真菌が繁殖しやすくなる場合があります。陰部のかゆみ・排尿時の痛みを感じたら早めの受診が必要です。
• 低血糖
  単独使用では低血糖は起こりにくいですが、他の糖尿病薬と併用している場合は注意が必要です。
• ケトアシドーシス
  まれですが重大な副作用です。急激な体調不良、吐き気、腹痛、食欲低下がある場合は早めに医療機関へ相談してください。
• 腎機能の変化
  腎機能によっては使用できない場合があり、定期的な検査が必要です。

フォシーガはメリットも多い薬ですが、適正に使用することで安全性が確保される薬剤です。

一般名	ダパグリフロジン
分類	SGLT2阻害薬
用法	1日1回（医師の指示に従う）
適応	2型糖尿病、慢性心不全、慢性腎臓病 など
作用	腎臓での糖再吸収を抑えて尿中に排泄し、血糖値を下げる
期待できる効果	体重管理の補助、血糖コントロール、むくみ改善、心血管リスクの軽減など
注意点	脱水予防、定期検査、既往歴・併用薬の確認が必須

フォシーガは、糖やエネルギーの出入りを調整しながら体重管理をサポートできる点で注目されていますが、すべての方に向いているわけではありません。
医師の診察を受け、ご自身の体質や健康状態に合った治療かどうかを見極めることが大切です。